15869.jpg
パチンコ三昧で母や妹に暴力をふるう「ダメ男」 家から追い出すことはできるか?
2014年12月29日 14時10分

家族に暴力を振るい、金を脅し取る兄を家から追い出せるか——。弁護士ドットコムの法律相談コーナーに、こんな相談が寄せられた。

投稿者によると、問題が起きているのは、知り合いの女性の家庭だ。その女性の兄(20代)は働かないで、毎日パチンコ三昧の生活を送っているうえに、母親と妹に暴力を振るい、さらに金を脅し取っているという。絵に描いたような「ダメ男」の兄に悩まされている女性は「なんとか兄を家から追い出せないか」と投稿者に相談したのだ。

だが、家族は本来、一緒に暮らして助け合うべきものだ。妹が兄を家から追い出すことはできるのだろうか。もしできるとしたら、具体的にどうすればいいのか。石井龍一弁護士に聞いた。

家族に暴力を振るい、金を脅し取る兄を家から追い出せるか——。弁護士ドットコムの法律相談コーナーに、こんな相談が寄せられた。

投稿者によると、問題が起きているのは、知り合いの女性の家庭だ。その女性の兄(20代)は働かないで、毎日パチンコ三昧の生活を送っているうえに、母親と妹に暴力を振るい、さらに金を脅し取っているという。絵に描いたような「ダメ男」の兄に悩まされている女性は「なんとか兄を家から追い出せないか」と投稿者に相談したのだ。

だが、家族は本来、一緒に暮らして助け合うべきものだ。妹が兄を家から追い出すことはできるのだろうか。もしできるとしたら、具体的にどうすればいいのか。石井龍一弁護士に聞いた。

●家裁に「調停」を申し立てることができる

「家族内のトラブルに関しては,家庭裁判所に『親族関係調整の調停』を申し立てることができます。今回のケースでは、お兄さんを相手にこの調停を申し立て、家庭裁判所で、調停委員の関与のもと、家から出て生活をしてもらうよう話し合いをするという方法があります」

家庭裁判所が話し合いの仲立ちをしてくれるとは心強い。

「ただ、これはあくまでも調停です。調停には法的強制力はありません。ですから、お兄さんが話し合いに応じなければ、解決になりません」

なにか強制力のある解決策はないだろうか。

「たとえば、こんな考え方はどうでしょう。家に誰を住まわせるかは、その家が持ち家であれば所有者、賃貸であれば賃借人が決めることができますよね。もし、お母さんが所有者や賃借人であれば、お母さんは、お兄さんについて『家に住まわせない』と決めることができます」

法的な問題とどうかかわりがあるだろうか。

「お母さんが、その家の所有者や賃借人だとしましょう。家賃を取らずに家族をその家に住まわせている場合、お母さんと家族の間には『使用貸借』という契約が存在していることになります。そして、使用貸借契約の前提となる当事者間の『信頼関係』が破たんしている場合、契約の解除が認められることがあります」

今回の場合、信頼関係は、すでに破たんしているようだ。

「ええ。お兄さんは、家族に暴力を振るったり、お金を脅し取るなどという問題行動を繰り返していますね。こうした場合は、客観的に見ても、お母さんがお兄さんに家を使用させる前提としての『信頼関係』が、すでに破綻していると認められるでしょう。

ですから、今回のようなケースでは、お母さんは使用貸借契約を解除して、お兄さんに家から出て行くよう請求することができます。もし、お兄さんがこの請求にも応じなければ、民事訴訟を提起する必要があります」

石井弁護士はこのように話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る