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宮崎マッサージ店強姦事件「盗撮ビデオ」めぐる交渉の弁護人、弁護士会から懲戒されず
2016年03月23日 17時36分

宮崎市のマッサージ店で女性客に暴行したなどとして、強姦と強制わいせつの罪に問われた男性経営者の弁護人が「不適切な弁護活動」をおこなったとして懲戒処分を請求された問題で、宮崎県弁護士会が「懲戒しない」と議決していたことが3月23日、わかった。懲戒請求をおこなったNPO法人の代表が明らかにした。議決は2月3日付け。

議決書などによると、この弁護士は2014年3月下旬から4月初旬にかけて、ある被害者の代理人弁護士と示談交渉をおこなう際に、(1)男性経営者が被害者との性行為を盗撮したビデオの処分(2)金銭のやり取りなし(3)告訴の取り下げ、の3点を提案した。

宮崎市のマッサージ店で女性客に暴行したなどとして、強姦と強制わいせつの罪に問われた男性経営者の弁護人が「不適切な弁護活動」をおこなったとして懲戒処分を請求された問題で、宮崎県弁護士会が「懲戒しない」と議決していたことが3月23日、わかった。懲戒請求をおこなったNPO法人の代表が明らかにした。議決は2月3日付け。

議決書などによると、この弁護士は2014年3月下旬から4月初旬にかけて、ある被害者の代理人弁護士と示談交渉をおこなう際に、(1)男性経営者が被害者との性行為を盗撮したビデオの処分(2)金銭のやり取りなし(3)告訴の取り下げ、の3点を提案した。

●「ビデオは無罪の証拠になる」と弁護士が考えていたと認定

この事件をめぐっては、毎日新聞が<被害女性が「被告側弁護士から『暴行の様子を撮影したビデオがある。告訴を取り下げれば処分する』と脅された」と証言した>と報道したことをきっかけに、弁護士に対する批判の声が高まった。インターネット署名サイトでは、この弁護士に対する懲戒請求を求める約2万件の署名が集まった。

そのような流れを受け、性犯罪被害者を支援するNPO法人「しあわせなみだ」(東京)の中野宏美代表は2015年3月、この弁護士の言動が被害者に対する不当な圧力にあたり、弁護士法に定める「弁護士としての品位を失うべき非行」だとして、宮崎県弁護士会に対して、この弁護士を懲戒するよう請求した。

懲戒請求について検討した宮崎県弁護士会の綱紀委員会は、この弁護士の示談提案について、「やや慎重な配慮に欠ける部分も見られる」としながらも、「(弁護士は)ビデオが無罪証拠になり、告訴が取り下げられると考えていた」と指摘。「全体として、適切な弁護活動の範囲を逸脱しているとまでいえない」「弁護士としての品位を失うべき非行があったと認めることはできない」として、懲戒しないという判断を下した。

なお、男性経営者が強姦と強制わいせつの罪に問われた事件をめぐっては、宮崎地裁が2015年12月、懲役11年の実刑と、ビデオ原本4本を没収する有罪判決を下した。しかし男性経営者は合意の上だったと無罪を主張しており、地裁判決を不服として、福岡高裁宮崎支部に控訴している。

(弁護士ドットコムニュース)

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