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ホストクラブの客に恐喝未遂、元ホスト男性が法廷で明かした「女性への思い」
2024年08月03日 10時04分
#ホストクラブ #ホストクラブ問題 #裁判傍聴

大阪地裁は2024年7月、ホストクラブの客だった女性への恐喝未遂罪で起訴された元ホストの男性(20代)に対して懲役2年、執行猶予3年(求刑:懲役2年)の判決を下した。

大きな社会問題となっているホストクラブの悪質商法だが、この事件でも被告人は、被害者の女性に高額な金銭や風俗店で働くことを要求し、関係解消を告げられると「お前だけは絶対に殺す」と脅すなどしていた。(裁判ライター・普通)

大阪地裁は2024年7月、ホストクラブの客だった女性への恐喝未遂罪で起訴された元ホストの男性(20代)に対して懲役2年、執行猶予3年(求刑:懲役2年)の判決を下した。

大きな社会問題となっているホストクラブの悪質商法だが、この事件でも被告人は、被害者の女性に高額な金銭や風俗店で働くことを要求し、関係解消を告げられると「お前だけは絶対に殺す」と脅すなどしていた。(裁判ライター・普通)

●マッチングアプリでホストクラブへの客探し

細身のスーツ姿で法廷に立つ被告人。ホストをすでに辞めていたものの、一般のサラリーマンとは異なる雰囲気を漂わせていた。

起訴状などによると、被告人はホストとしての売上を上げるためにマッチングアプリを使用して、知り合った女性たちを強引に店へ呼んでいた。被害者ともアプリで知り合ったという。

その後、交際を始めた2人だったが、首を絞める、殴るなどの暴行も受けるようになったという。また働いて得た給料を取られるなどしており、徐々にホストクラブでの支払いに窮するようになった。すると被告人は、風俗店で働くよう強い口調で強要。

被害者は関係を断つため遠方に転居し、交際を解消したいとの意志を伝えた。激昂した被告人は女性「お前だけは絶対に殺す」、「俺が死ぬ前に(被害者の)家族とか周りをめちゃくちゃにする」、「300万円払え」などインスタグラムのメッセージ機能を用いて送信した。被害者が警察に届け出たことで未遂に留まった。

●風俗店勤務は強要でなく「そっちの方がいいのでは?」

弁護人による被告人質問により、当時の被告人の心境が明らかになっていった。

高校卒業後、家族は専門学校進学への道を用意していたが、「大金を稼ぎたい」、「チヤホヤされたい」、「タレントに憧れていた」といった理由で進学はせず、ホストクラブで働き始めた。しかしホストになったものの、人間関係のトラブルなどで、短期間で店を複数変えていた。

自身でも、我を通す悪い癖があると供述する被告人。交際関係にあったとする被害女性だったが、裁判で被告人は「彼女というより、お客様に近い感じ。『彼女にして欲しい』とアプローチを受けていた」と明かしている。裁判を通して、被告人からは女性に対する愛情は感じられなかった。

弁護人「どうして別れ話になったのですか」
被告人「『一緒にいるお金がない』と言うのですが、自分もホストなので稼がないといけなくて。それが受け入れてもらえず、うまくいかなくなりました」

弁護人「被害者に風俗店へ行くように強要などしましたか」
被告人「援助交際などもしていると聞いていたのですが、過去に風俗店で働いていたとも聞いていたので『風俗店の方がいいのでは?』とは言いました」

悪びれるでも、開き直る感じでもなく、淡々と自分本位の意見を展開していく。

弁護人「仮に被害者が風俗店で働いていたとしても、300万円も調達できると思っていましたか」
被告人「正直無理と思ってましたけど、生活も困窮していたので少しでもとは」

弁護人「では、要求が現実に通るとは思っていなかったわけですね」
被告人「大金なので通るはずはないと思っていました」

●再犯を危惧する裁判官から思わず出た言葉

検察官からの被告人質問の中で、被害者が事件後に被告人を恐れて家に籠るようになったことが明らかにされた。

検察官「事件当時は悪いことをしている意識は」
被告人「薄々感じていたものの、給料に目がくらんでしまい。風俗についても、自分が薦めたのでなく、被害者との合意ならばと自分を納得させていました」

検察官「『お前だけは殺す』なんてメッセージを送ったのはなぜ」
被告人「怒りが蓄積されていて、突発的に出てしまいました」

事件となったことについては反省の言葉を述べてはいた。しかし、一連の行動を起こした自身の思考についてどう認識しているかについて不安を覚えたのか、最後に裁判官が質問した。

裁判官「ホストの皆が同じことをしているわけではない。あなたの考え方、目的のためにどう動いてしまうかという考え方について、もっと考えて欲しいと思います」

被告人は頷いたものの、どこまで裁判官の真意は伝わったか。執行猶予判決の説明の最後に、再度の執行猶予が付されることはないと、繰り返し再犯の防止を促していた。

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