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13歳の金メダリスト西矢選手、日テレ21時台の生出演が物議 何時まで出ていいの?
2021年08月14日 09時04分

東京五輪の開会式において、23時以降も小中学生が聖火リレーに参加していたことが問題視されました。

最近も、東京五輪で日本史上最年少の金メダリストになった西矢椛選手がテレビ局の生放送に21時台に出演しており、視聴者から「いいんだっけ?」など疑問の声があがっています。

労働基準法を確認するとともに、労働基準局に聞きました。

東京五輪の開会式において、23時以降も小中学生が聖火リレーに参加していたことが問題視されました。

最近も、東京五輪で日本史上最年少の金メダリストになった西矢椛選手がテレビ局の生放送に21時台に出演しており、視聴者から「いいんだっけ?」など疑問の声があがっています。

労働基準法を確認するとともに、労働基準局に聞きました。

●21時からのバラエティ番組に生出演、22時以降は姿消す

女子スケートボードで金メダルをとった西矢選手が出演したのは、閉会式翌日の8月9日21時〜22時54分放送のスポーツ総合バラエティ番組「くりぃむしちゅーの! THEレジェンド」です。

番組開始からスタジオで五輪アスリートらと生出演した西矢選手は、司会者のくりぃむしちゅー有田哲平さんらと堂々渡りあっていましたが、視聴していた人からは、13歳の中学生が21時に生出演することについて疑問もあがりました。

番組の公式サイト 番組の公式サイト

番組を確認してみると、西矢選手が22時以降に出演することはなかったようです。しかし、そもそも21時台のテレビ生出演について、ツイッターには、「西谷椛選手て、この時間の生放送出演て大丈夫なの?笑 なんか年齢的に21時以後ダメとかなかった?」との指摘がありました。

ほかにも、「西矢椛選手はこの時間にテレビ出演大丈夫なん?って気にしてるの私だけじゃなかった。22時まではいけるっぽい。」など、22時までであれば問題がないとする意見もみられます。

果たして、今回の出演に問題はなかったのでしょうか。

●労働者性があるなら、21時の出演はアウトだが

厚生労働省の労働基準局監督課に、子どもの夜間出演について聞いてみました。

労働基準法では、18歳に満たない者を22時から5時までの間において使用してはならないと定めています。

一方で、18歳に満たなくても、「映画の製作又は演劇の事業」については、行政官庁の許可を受けていれば、修学時間外に働かせることができるとされています。

それでも、原則として15歳未満の児童の20時以降の労働は禁じられています(61条の5)。

さて、この労基法の規制が適用される対象かどうか、つまり、労働者性があるかどうかを判断する必要があります。

芸能界の子どもの夜間出演については、1988年に労働省から出されたいわゆる「芸能タレント通達」において、子役の「労働者性」を判断する要件について示されました。

労働者ではない、と判断されるための要件として、 1)歌唱、演技等が他人によって代替できず、当人の個性が重要な要素になっている 2)報酬が稼働時間に応じて定められるものではない 3)プロダクション等との関係で時間的に拘束されない(リハや出演時間は別) 4)契約形態が雇用契約ではない が挙げられます。

これに従って、労基法上の労働者に該当しないとされた場合は、労働時間や夜間労働の定めと関係なく活動できると考えられています。

「今回の事例においては、アイドルやタレントではなく、『選手』ということですが、この1988年の通達の解釈によって、実態に基づいて労働者かどうか判断できます」(監督課)

西矢選手はアスリートとしてのマネジメント契約を結んでいるようですので、詳細を検討する必要はありますが、4つの要件には当てはまる可能性があるかもしれません。ただ、仮に労働者性があると判断された際、13歳の児童がテレビに生出演してよいのは何時までとなるのでしょうか。

「労働者ということで13歳であれば、20時までです。20時〜5時までは働かせられません」(監督課)

●ほかのテレビ局では「20時以降はダメ」と明言

今回の西矢選手の生出演について、弁護士ドットコムニュースでは、日本テレビに見解や、児童の夜間出演に関する意見を求めましたが、期日までに回答はありませんでした。

もしかしたら日テレは、番組への起用を検討する際、西矢選手には「労働者性」がないと結論づけられると判断したのかもしれません。

ですが、同じテレビ局でも、関西テレビは番組制作ガイドラインで、労基法にふれつつ、年少者の出演時刻についてルールを示しています。

関西テレビでは、許可を得ていても、中学生以下の出演者を「午後8時から午前5時までの間は働かせることができません」としているのです。局自身が課した自主規制と言えるでしょう。

プロダクション側でも、たとえば日本モデルエージェンシー協会は「年少者・児童の出演に関するガイドライン」をつくって、労基法に即した時間制限を原則とするようにもとめています。

対応がバラバラなのであれば、今後もどこまでがセーフで、どこからがアウトなのか、機会があるたびに話題になりそうです。

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