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借家に引越してみたら「広告と違う!」 解約してお金を取り戻せるか?
2013年04月25日 21時49分

新年度の開始とともに、新しく入った学校や会社にあわせて住居を引っ越した人もいるだろう。そんな中には、新しく入居した賃貸住宅が「思っていたのとは違う・・・」と不満を抱いている人もいるもしれない。

特に、現実の住居が、自分の見た不動産広告と明らかに違っていたら、怒りを覚えるだろう。たとえば、ネットの法律相談サイトには「ベランダは南向きと書いてあったのに、実際は北西向きだった」とか、「間取りが6畳のはずだったのに、4畳半しかなかった」とか、「駅から徒歩5分と書かれていたのに、絶対にその時間ではたどり着かない」といった嘆きの声が寄せられている。

このような「広告と現実の食い違い」は、借りようとしている住居を自分の目で確認すれば気づくはずなのだが、人によっては時間がなくて、実物を確認しないまま賃貸契約を結んでしまうこともあるようだ。そんなときは、広告表示を信じるほかなくなってしまう。

では、広告の内容と実際の住環境が異なるので「退去して別の住居に引っ越したい」という場合、結んだばかりの賃貸契約を解約して、すでに払い込んだ家賃や敷金・礼金、不動産仲介手数料を返してもらうことはできるだろうか。さらには、退去費用なども請求できたりするのだろうか。不動産取引に詳しい田沢剛弁護士に聞いた。

●「重要な事実」について広告にウソがあった場合は、契約を取り消せる

「消費者と事業者との契約については、『消費者契約法』というものがあります。住宅を借り受ける一般の個人は『消費者』にあたり、賃貸住宅を経営しているオーナーは基本的には『事業者』にあたります。したがって、両者間の賃貸借契約は、消費者契約法の適用対象となります」

このように田沢弁護士は「消費者契約法」という法律の名前をあげる。この消費者契約法は、消費者と事業者との間に、情報の質や量、交渉力に大きな差があることから、消費者の利益を守るために2001年に施行された法律だ。では、広告と現実の住環境が違っていた場合は、どうなるのか。

「事業者となるオーナーが、『重要事項』について事実と異なることを告げ、借主となる消費者が事実を誤認して契約を締結した場合には、契約を締結してしまった後であっても、借主が誤認を知ったときから6か月以内であれば、契約を取り消すことができます(消費者契約法4条1項1号、同法7条1項)。

この点は、事業者であるオーナーが不動産業者に媒介を依頼し、その不動産業者が重要事項について事実と異なる事実を告げた場合であっても同様です(同法5条1項)」

このように述べたうえで、田沢弁護士は次のように説明する。

「不動産業者の広告内容を信じて賃貸契約を締結したのに、実際の物件はその広告内容と異なっていたという場合には、それが『重要な事実』といえる限りにおいて、取り消すことが可能ということになります」

つまり、広告と現実が違っていて、それが「重要な事実」といえる場合は、契約を取り消せるというわけだ。

「取り消した場合、契約は当初からなかったことになりますから、すでに払い込んだ家賃や敷金・礼金、不動産仲介手数料などを返してもらうことも可能ですし、不実の広告を出した不動産業者に対し、退去費用なども損害として賠償請求することができるということになります」

田沢弁護士はこのように説明するが、「ただし」と言って、マンションやアパートを借りるときに気を付けるべき点について、次のように語る。

「このような法律的な手当てがあるとはいっても、『重要な事実』といえるか否かが問題となって、オーナー側と争いになる可能性があります。したがって、賃貸借契約を締結する場合には、必ず内覧を行って、重要な部分については自分の目で確認して、納得してから、契約を締結するに越したことはありません」

(弁護士ドットコムニュース)

新年度の開始とともに、新しく入った学校や会社にあわせて住居を引っ越した人もいるだろう。そんな中には、新しく入居した賃貸住宅が「思っていたのとは違う・・・」と不満を抱いている人もいるもしれない。

特に、現実の住居が、自分の見た不動産広告と明らかに違っていたら、怒りを覚えるだろう。たとえば、ネットの法律相談サイトには「ベランダは南向きと書いてあったのに、実際は北西向きだった」とか、「間取りが6畳のはずだったのに、4畳半しかなかった」とか、「駅から徒歩5分と書かれていたのに、絶対にその時間ではたどり着かない」といった嘆きの声が寄せられている。

このような「広告と現実の食い違い」は、借りようとしている住居を自分の目で確認すれば気づくはずなのだが、人によっては時間がなくて、実物を確認しないまま賃貸契約を結んでしまうこともあるようだ。そんなときは、広告表示を信じるほかなくなってしまう。

では、広告の内容と実際の住環境が異なるので「退去して別の住居に引っ越したい」という場合、結んだばかりの賃貸契約を解約して、すでに払い込んだ家賃や敷金・礼金、不動産仲介手数料を返してもらうことはできるだろうか。さらには、退去費用なども請求できたりするのだろうか。不動産取引に詳しい田沢剛弁護士に聞いた。

●「重要な事実」について広告にウソがあった場合は、契約を取り消せる

「消費者と事業者との契約については、『消費者契約法』というものがあります。住宅を借り受ける一般の個人は『消費者』にあたり、賃貸住宅を経営しているオーナーは基本的には『事業者』にあたります。したがって、両者間の賃貸借契約は、消費者契約法の適用対象となります」

このように田沢弁護士は「消費者契約法」という法律の名前をあげる。この消費者契約法は、消費者と事業者との間に、情報の質や量、交渉力に大きな差があることから、消費者の利益を守るために2001年に施行された法律だ。では、広告と現実の住環境が違っていた場合は、どうなるのか。

「事業者となるオーナーが、『重要事項』について事実と異なることを告げ、借主となる消費者が事実を誤認して契約を締結した場合には、契約を締結してしまった後であっても、借主が誤認を知ったときから6か月以内であれば、契約を取り消すことができます(消費者契約法4条1項1号、同法7条1項)。

この点は、事業者であるオーナーが不動産業者に媒介を依頼し、その不動産業者が重要事項について事実と異なる事実を告げた場合であっても同様です(同法5条1項)」

このように述べたうえで、田沢弁護士は次のように説明する。

「不動産業者の広告内容を信じて賃貸契約を締結したのに、実際の物件はその広告内容と異なっていたという場合には、それが『重要な事実』といえる限りにおいて、取り消すことが可能ということになります」

つまり、広告と現実が違っていて、それが「重要な事実」といえる場合は、契約を取り消せるというわけだ。

「取り消した場合、契約は当初からなかったことになりますから、すでに払い込んだ家賃や敷金・礼金、不動産仲介手数料などを返してもらうことも可能ですし、不実の広告を出した不動産業者に対し、退去費用なども損害として賠償請求することができるということになります」

田沢弁護士はこのように説明するが、「ただし」と言って、マンションやアパートを借りるときに気を付けるべき点について、次のように語る。

「このような法律的な手当てがあるとはいっても、『重要な事実』といえるか否かが問題となって、オーナー側と争いになる可能性があります。したがって、賃貸借契約を締結する場合には、必ず内覧を行って、重要な部分については自分の目で確認して、納得してから、契約を締結するに越したことはありません」

(弁護士ドットコムニュース)

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