16353.jpg
文化祭直前なのに「クラT」が届かない…全国でトラブル急増、国民生活センターが注意呼びかけ
2025年06月25日 10時12分
#著作権 #国民生活センター #クラT #クラスTシャツ

中学や高校、大学の体育祭や文化祭などで、クラス全員で着る「クラT」(クラスTシャツの略)。学校生活の楽しみの一つだが、ここ数年、業者への注文をめぐるトラブルが相次いでいる。

クラTはオリジナルデザインで作成し、必要な枚数を業者に発注。イベント当日までに納品されるのが一般的だ。ところが、国民生活センターによると、「当日までに届かなかった」「頼んだ業者と連絡が取れなくなった」といった相談が増えているという。

国民生活センターは、注文前に業者の情報を確認することや、トラブルが発生した際はすぐに最寄りの消費生活センターに相談するよう注意を呼びかけている。

中学や高校、大学の体育祭や文化祭などで、クラス全員で着る「クラT」(クラスTシャツの略)。学校生活の楽しみの一つだが、ここ数年、業者への注文をめぐるトラブルが相次いでいる。

クラTはオリジナルデザインで作成し、必要な枚数を業者に発注。イベント当日までに納品されるのが一般的だ。ところが、国民生活センターによると、「当日までに届かなかった」「頼んだ業者と連絡が取れなくなった」といった相談が増えているという。

国民生活センターは、注文前に業者の情報を確認することや、トラブルが発生した際はすぐに最寄りの消費生活センターに相談するよう注意を呼びかけている。

●実際のトラブル事例「税関で没収された」

国民生活センターが紹介している事例は次の通りだ。

【文化祭当日までに届かず、連絡も取れない】

学校に置いてあったパンフレットを見て、クラTを1枚2000円で34枚注文した。クラTは注文から2週間以内に発送され、代金は到着後に支払う予定だったが、文化祭当日になってもクラTは届かなかった。業者とはLINEでやりとりしており、何度もメッセージを送ったが返事はなかった。パンフレットには業者の所在地や連絡先が記載されていなかった。

【カタログでデザインを選んだクラTが税関で没収された】

文化祭で使うクラTを、1枚2500円で39枚注文した。生徒がSNSの広告で見つけた業者で、カタログから、有名サッカーチームのエンブレムが入ったデザインを選んだ。その後、業者から「名前を入れる前のTシャツが税関で没収された」と連絡があった。文化祭に間に合わないのでキャンセルしようとしたら、原価代として1枚1000円払うよう言われた。

【著作権の関係でロゴやエンブレムを使用できないと言われた】

体育祭で着るクラTを、SNSで見つけた業者に注文しようとLINEで連絡した。SNSに載っていたカタログから、ロゴとエンブレムの入ったデザインを選び、1枚2000円で39枚注文した。ところが、その後、業者から「ロゴとエンブレムが著作権の関係で使えないのでデザインを変更してほしい」と連絡がきた。希望するデザインでなければキャンセルしたいと伝えたところ、「申し込み時にキャンセル不可と記載している。キャンセルするのであれば、商品の代金を全額払ってもらう」と言われた。

●消費者安全法に基づき業者名が公表されたことも

クラTをめぐるトラブルは、近年、社会問題となっている。

たとえば、2021年5月以降、オンラインショップでクラTを受注していた横浜市の業者について、納品が間に合わなかったという苦情が消費者生活センターに多数寄せられた。

消費者庁は2022年10月、この業者に「消費者の利益を不当に害するおそれのある行為」(債務の履行の著しい遅延)があったとして、消費者安全法に基づき業者名を公表している。

弁護士ドットコムニュース編集部が国民生活センターに取材したところ、この問題が公表されてから、同様の相談が年間数十件に上っており、今年も増加傾向にあることから、6月4日に改めて注意喚起をおこなったという。

●トラブルを防ぐためにチェックすべきこと

国民生活センターは、トラブル回避のため、以下のポイントも確認するよう呼びかけている。

・注文前に、業者のカタログやウェブサイトを見て、住所・連絡先・キャンセル条件等を確認しましょう。

・発送予定日を確認し、余裕をもって注文しましょう。

・実在する企業やスポーツチーム等のロゴが入ったデザインのTシャツは、正規品ではない場合、絶対に注文してはいけません。

・注文する前に、先生や保護者などにも確認してもらいましょう。

国民生活センターの担当者は「不安に思ったら、すぐに最寄りの消費生活センターに相談してください。学生や生徒が相談することも可能です」と話している。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る