16459.jpg
「同一労働同一賃金」求め、有期雇用の女性が提訴 勤続20年超、裁判所の判断に注目
2018年02月19日 17時44分

金属加工メーカー「トーカロ」(東証1部)で20年以上働く有期雇用の女性(60)が正社員との間の賃金格差は不当だとして2月19日、東京地裁に訴訟を起こした。会社に対し、給与や賞与などの差額として3年分に相当する約480万円を求めている。

訴状によると、女性は1996年12月に嘱託社員として入社し、20年以上にわたって契約を更新している。2002年には横浜市の営業所から千葉県船橋市の工場に転勤。2012年には、営業事務から製造事務に配置転換となり、資材購入を1人で担当している。

他県の工場では、同じ業務に従事する正社員が多く確認できるといい、正社員との間で職務内容や配置変更の範囲は変わらないとして、「同一労働同一賃金」を主張している。

金属加工メーカー「トーカロ」(東証1部)で20年以上働く有期雇用の女性(60)が正社員との間の賃金格差は不当だとして2月19日、東京地裁に訴訟を起こした。会社に対し、給与や賞与などの差額として3年分に相当する約480万円を求めている。

訴状によると、女性は1996年12月に嘱託社員として入社し、20年以上にわたって契約を更新している。2002年には横浜市の営業所から千葉県船橋市の工場に転勤。2012年には、営業事務から製造事務に配置転換となり、資材購入を1人で担当している。

他県の工場では、同じ業務に従事する正社員が多く確認できるといい、正社員との間で職務内容や配置変更の範囲は変わらないとして、「同一労働同一賃金」を主張している。

●労契法20条裁判、給与格差では労働者不利になりやすい傾向だが…

「労働契約法20条」は、無期雇用と有期雇用との間に不合理な格差をつけることを禁じている。とはいえ、これまでの裁判例では、正社員は長期のキャリア形成が前提になっているとして、特に給与や賞与面では、一定の格差を認める傾向にある。

今回の訴訟の特徴について、女性の代理人・梅田和尊弁護士は「労契法20条裁判の中で、勤続20年以上はおそらく初めて」と説明。「これまでの判決で示されていた(格差は)『長期勤続のインセンティブ』という考え方は、改めて問われて良い」と述べた。

女性は連合神奈川ユニオンに所属。会社との交渉がうまく行かず提訴に至ったという。

「賞与の支給後、(正社員から)車を買い換えたとか子どもの入学金に消えるという話を聞かされる度、自分に何が足りないのか、自問自答していました。裁判を通じて、非正規で働く人の待遇が少しでも改善したらという気持ちでいます」と語った。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る