16559.jpg
しゃぶしゃぶ鍋事件、被害男性「熱い鍋より、社長のパワハラが怖かった」 刑事告訴へ
2018年11月22日 11時50分

芸能事務所の社長から、沸騰する鍋に顔を押し込まれるなどの暴行を受けたとして、元社員の男性が社長を刑事告訴するとともに、民事でも損害賠償請求を検討中だと明らかにした。

被害を受けた男性は11月22日、東京都内で記者会見を開き、「社長に洗脳されていたし、精神的にやられていた。沸騰する鍋に顔を突っ込むより、社長に怒られるほうが怖かった。今回の件を認め、社長に罪をつぐなってほしい」と、話した。

この問題は21日発売の「週刊新潮」が報じていた。

芸能事務所の社長から、沸騰する鍋に顔を押し込まれるなどの暴行を受けたとして、元社員の男性が社長を刑事告訴するとともに、民事でも損害賠償請求を検討中だと明らかにした。

被害を受けた男性は11月22日、東京都内で記者会見を開き、「社長に洗脳されていたし、精神的にやられていた。沸騰する鍋に顔を突っ込むより、社長に怒られるほうが怖かった。今回の件を認め、社長に罪をつぐなってほしい」と、話した。

この問題は21日発売の「週刊新潮」が報じていた。

●「誠意として頭を丸めて来い」、遅刻で「罰金10万円」

代理人の河西邦剛弁護士によれば、男性がこの芸能事務所に入社したのは2014年の夏ごろ。ファッション誌のモデルなど約20名が所属し、当時、社員は男性のみだった。男性はスカウト業務、イベント運営、社長の車の運転などの業務を担当していた。パワハラは報じられた「しゃぶしゃぶ鍋事件」以外にも日常的にあったと主張する。

14年の冬には、取引先を招いた事務所の忘年会で、男性は二日酔いのため、翌日、遅刻をした。すると社長から「誠意として頭を丸めて来い」「罰金として10万円持って来い」などと言われた。実際に男性は坊主となり、友人から借りて10万円も渡したのだという(退社後、男性の求めにより返金)。

「週刊新潮」が報じた、しゃぶしゃぶ鍋に顔をつける暴行があったのは2015年12月。渋谷の居酒屋で、社長、所属モデル、取引先らと忘年会を開いた際の出来事だった。社長が「面白いことをやれ」と要求したため、男性は「できない」と断ったものの、社長は男性の首をつかみ、沸騰しているしゃぶしゃぶの鍋に男性の顔を2度、押し込んだという。

「(その場は)社長には逆らえない雰囲気があった。クライアントさんも止めることはできなかったと思う。(社長に)イヤだというと、後日、数時間詰められたりすることが何度もあった。怒られるのではないかという恐怖もあって、やるしかないな、盛り上げるしかないな、となってしまった」

男性が鍋の熱さにたえられず動くと、鍋から液体がこぼれるほどだったという。そのまま忘年会は続けられた。社長は「帰ったほうがいいよ。顔ほんとやばいから帰ったほうがいいよ」と話したが、謝罪の言葉はなかった。

●「鍋や忘年会シーズンになるとフラッシュバック」

男性は忘年会後、友人とともに救急外来に行き応急処置を受け、顔面第2度熱傷、皮膚感染症、湿疹と診断された。忘年会翌日、社長は男性の自宅を訪ね、「お前、自分から頭、突っ込んだよな」「何日後くらいから仕事できるの? 2〜3日後からできるでしょ?」などと発言したという。

治療のため2〜3週間仕事を休んだ。やけどによる後遺症として、現在でも日焼け時や乾燥するとかゆみがある。また男性は「鍋をみると思い出してしまうし、忘年会シーズンになるとフラッシュバックがある。やっと公の場で話せる時がきたのかなと思う」と話した。

男性は2017年1月に退社した。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る