16606.jpg
ソーシャルレンディング「3億円損害」個人投資家143人らが集団提訴
2019年08月02日 16時50分

ネットで高い利回りをうたい融資を仲介するソーシャルレンディングで損害を被ったとして、全国の個人投資家143人と法人2社が8月2日、「エーアイトラスト」(東京都港区)と役員などを相手取り、計約3億4748万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。

東京・霞が関の司法記者クラブで会見した原告側代理人によると、ソーシャルレンディングはお金が戻らなくなるトラブルが急増している。同種の集団訴訟も起きており、今回の原告の人数は過去最多だという。

ネットで高い利回りをうたい融資を仲介するソーシャルレンディングで損害を被ったとして、全国の個人投資家143人と法人2社が8月2日、「エーアイトラスト」(東京都港区)と役員などを相手取り、計約3億4748万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。

東京・霞が関の司法記者クラブで会見した原告側代理人によると、ソーシャルレンディングはお金が戻らなくなるトラブルが急増している。同種の集団訴訟も起きており、今回の原告の人数は過去最多だという。

●安全性アピールの裏で…

ソーシャルレンディングとは、インターネットで個人投資者からお金を集めて、ファンド業者を通じて中小企業などに融資する仕組みのこと。

訴状によると、同社は貸付先が公共事業を取り扱う会社であることや、役員に国土交通省や関東財務局、防衛省など官僚OBが複数いることなどを強調して、安全性をアピールしていた。

しかし、実際には貸付先の事業自体が存在せず、少なくとも約15億8千万円が同社の元取締役が実質的に支配する法人に流出していたことが金融庁の調査でわかった。

金融庁は2019年3月、同社の金融商品取引業の登録を取り消し、業務改善命令を出した。行政処分は2018年12月に続いて2度目だった。

金融庁はファンド業者の信用力を見極め、取引内容を十分に理解した上で投資を行うよう注意喚起している。具体的には、貸付先の属性や貸付条件、貸付先の資金情報などを確認するよう呼びかけている。

代理人の太田賢志弁護士は「投資する方にとっては、ネット上で軽い気持ちで少額から投資ができ、ソーシャルレンディングを取り扱う業者も乱立している」と指摘。「融資する際には、金利が高すぎないかということ、貸付先が明らかになっているか確認することが大切」と話した。

弁護士ドットコムニュースは、同社にコメントを求めている。回答があり次第、追記する予定。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る