16838.jpg
親密な仲の男性が既婚者だった…妻に「不倫」を告白したい女性、逆に慰謝料取られる?
2025年01月01日 08時45分

「男女関係をもっていた男性が既婚者だと知りました。奥さんに不倫を告白したいです」。このような相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

相談者の女性には、継続的に男女関係をもっていた親密な仲の男性がいたといいます。相手は相談者の好意も知っていたとのこと。ところが、相手の携帯をみた際に、結婚していたことを知り、裏切られたとの思いから制裁を加えたいと考えているそうです。

相談者は、その男性と知り合って何度も関係を持った後に「彼女ができた」と知らされていました。その後も彼女について質問するとはぐらかされ、彼女との関係が継続しているのか確認できない状況にありました。

相談者は、その男性の自宅へ泊ったこともありますが、別居婚だったためか部屋の様子を見ても結婚に気づくことはありませんでした。相談者は、1年以上の間、信頼していた相手に嘘をつかれていた精神的ダメージは大きく、また失った時間を思うと「許せない」と感じているそうです。

相談者は、「相手に精神的なダメージを与えたい」として、妻に不倫していたと告白しようと考えていますが、どのようなリスクがあるのでしょうか。また、相手男性への慰謝料請求をしたいと考えていますが、可能なのでしょうか。島田美佐都弁護士に聞きました。

「男女関係をもっていた男性が既婚者だと知りました。奥さんに不倫を告白したいです」。このような相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

相談者の女性には、継続的に男女関係をもっていた親密な仲の男性がいたといいます。相手は相談者の好意も知っていたとのこと。ところが、相手の携帯をみた際に、結婚していたことを知り、裏切られたとの思いから制裁を加えたいと考えているそうです。

相談者は、その男性と知り合って何度も関係を持った後に「彼女ができた」と知らされていました。その後も彼女について質問するとはぐらかされ、彼女との関係が継続しているのか確認できない状況にありました。

相談者は、その男性の自宅へ泊ったこともありますが、別居婚だったためか部屋の様子を見ても結婚に気づくことはありませんでした。相談者は、1年以上の間、信頼していた相手に嘘をつかれていた精神的ダメージは大きく、また失った時間を思うと「許せない」と感じているそうです。

相談者は、「相手に精神的なダメージを与えたい」として、妻に不倫していたと告白しようと考えていますが、どのようなリスクがあるのでしょうか。また、相手男性への慰謝料請求をしたいと考えていますが、可能なのでしょうか。島田美佐都弁護士に聞きました。

●妻ではなく「彼女ができた」と言われていた場合は?

——不倫の事実をバラした場合、男性の妻から慰謝料を請求される可能性はありますか。

入籍した後にも不貞行為をしていたことを告げた場合には、貞操義務に反する行為として、妻から慰謝料請求されることがあります。

また、男性の入籍前に行われた不貞行為については、妻と男性が内縁状態にもなっておらず、慰謝料を支払う義務はありません。

——相談者は、「奥さんがいることを知らなかった」と言っていますが、知らなかった場合、慰謝料の額は減額されるのでしょうか。また、今回のケースで男性から「彼女ができた」ことは言われていますが、この場合でも減額の対象になるのでしょうか。

男性が婚姻していたことを全く知らずに不貞行為を行ったという場合には、妻に精神的苦痛を与える故意が認められず、慰謝料請求が認められないでしょう。

しかし、男性が別居婚でも、相談者は男性の自宅に泊まっていることから、結婚に気付かなかったことについて相談者に過失が認められる可能性があり、この場合には慰謝料の支払義務を免れません。ただし、減額の可能性はあるでしょう。

彼女ができたと言われたとしても、男性が入籍したか否かを確認するのは容易ではないので、慰謝料減額となることもありえます。

●女性から既婚男性に慰謝料請求できる?

——交際はなく、男女関係だけを、1年以上持ち続けたとのことですが、相談者は男性に対して、慰謝料を請求することはできるのでしょうか。

内縁関係や、婚姻を前提とした交際関係がない以上、相談者から男性に対する慰謝料請求が認められる可能性はかなり低いと言わざるを得ません。

——相談者はどのように行動することが望ましいでしょうか。

婚期の時間を失ったとして、相手に制裁を加えたいというお気持ちを抱く方は多い印象ですが、妻側からみると、相談者の女性が不貞行為を行った加害者となります。

妻に告げることで、新たなトラブルとなるリスクは大きく、制裁を加えるはずが、かえって精神的に辛い思いをすることになりかねません。一度冷静になって、専門家の意見を聞かれることをお勧めします。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る