16859.jpg
捕獲された「荒川のシカ」に殺処分の危機 東京都「ペットとしては飼えない」
2020年06月05日 10時12分

東京都足立区の荒川河川敷で6月3日、野生のシカ(体長約1.5m)が捕獲された。付近では5月末から目撃情報が寄せられていた。

区は地域住民の安全のため、シカの捕獲許可を申請し、都がそれを認めた。シカが河川敷から市街地に出れば、道路で車や人にぶつかるおそれがあったからだ。「シカは大きいし、動きが早いし、飛び跳ねるんです」(区の危機管理部)

捕獲されたシカは、区の施設で一時保護されている。愛らしいシカの様子が各メディアで報じられたこともあってか、「引き取りたい」との問い合わせも届いているが、区職員の表情は浮かない。

「一般のかたに渡してはいけないと都から指導を受けていて、お断りしています。引き取り手募集などの記事が出ていましたが、取材先に意図がうまく伝わらなかったかもしれません」

東京都足立区の荒川河川敷で6月3日、野生のシカ(体長約1.5m)が捕獲された。付近では5月末から目撃情報が寄せられていた。

区は地域住民の安全のため、シカの捕獲許可を申請し、都がそれを認めた。シカが河川敷から市街地に出れば、道路で車や人にぶつかるおそれがあったからだ。「シカは大きいし、動きが早いし、飛び跳ねるんです」(区の危機管理部)

捕獲されたシカは、区の施設で一時保護されている。愛らしいシカの様子が各メディアで報じられたこともあってか、「引き取りたい」との問い合わせも届いているが、区職員の表情は浮かない。

「一般のかたに渡してはいけないと都から指導を受けていて、お断りしています。引き取り手募集などの記事が出ていましたが、取材先に意図がうまく伝わらなかったかもしれません」

●捕獲されたシカはどうなるのか

今後は「殺処分の可能性も否定できません」とのこと。一般人がペットとしてシカを飼うことはできないのだろうか。

東京都の自然環境部によれば、野生鳥獣のシカは生態系被害や農作物に被害を起こす「害獣」として扱われている。

「鳥獣保護管理法や、環境省の基本指針によって、愛玩を目的とした野生生物の捕獲は認められていません。今回のシカについても、一般人によるペットとしての飼育は認められません」

「野生のシカは適切な生息数に調整しています。かわいいので、助けてあげたいというかたの気持ちもわかりますが…。殺処分という結末になってもご理解いただければと思います」

●区も苦慮

区では捕獲と並行して、動物園で引き取ってもらったり、山に放したりすることも考えていた。

しかし、どちらも実現しなかった。山林を持ついくつかの自治体に打診したが、「駆除対象なので山に放されるわけにはいかない」と断られたという。

動物園で引き取れないのは「野生のシカは檻に入れられると、檻に激突して自傷行為をすることも。また、病気を持っていた場合、飼育動物に感染するリスクもある」などの理由からだ。

足立区では、2019年秋に現れた野生のイノシシも捕獲され、殺処分となった。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る