17075.jpg
社内不倫の末路…和解したのに不倫相手の妻が「サレ妻」体験を漫画に 「名誉毀損で訴えたい」
2024年05月18日 10時38分
#サレ妻 #社内不倫

社内不倫をしていたという女性から、弁護士ドットコムに相談が寄せられています。女性と不倫相手、その妻は同じ会社に勤めています。

すでに妻とは和解が成立し、慰謝料も支払いが終わっているそうです。和解には、「お互い不倫について口外しないという条項が含まれていたそうですが、妻は自身のSNSで、女性の写真を載せて服装の批判をしたりしているとのことです。

また、妻は不倫が原因で心の病を患ったといい、傷病休暇中に自身の「サレ妻」体験を漫画にして、ネット上で公開していたといいます。「サレ妻」漫画について、「見る人が見たらわかってしまうのではないか」と女性は不安を覚えているといいます。

あまりに大きすぎる「不倫の代償」。女性は妻に対し法的問題をとることはできるのでしょうか。日向一仁弁護士に聞きました。

社内不倫をしていたという女性から、弁護士ドットコムに相談が寄せられています。女性と不倫相手、その妻は同じ会社に勤めています。

すでに妻とは和解が成立し、慰謝料も支払いが終わっているそうです。和解には、「お互い不倫について口外しないという条項が含まれていたそうですが、妻は自身のSNSで、女性の写真を載せて服装の批判をしたりしているとのことです。

また、妻は不倫が原因で心の病を患ったといい、傷病休暇中に自身の「サレ妻」体験を漫画にして、ネット上で公開していたといいます。「サレ妻」漫画について、「見る人が見たらわかってしまうのではないか」と女性は不安を覚えているといいます。

あまりに大きすぎる「不倫の代償」。女性は妻に対し法的問題をとることはできるのでしょうか。日向一仁弁護士に聞きました。

●妻は「和解条項違反」にあたる可能性

——和解条項で「妻と女性はお互い、不倫について口外しない」ということを盛り込んでいるそうなのですが、匿名とはいえ、妻がSNSで不倫について投稿したり、女性の写真を無断で投稿することに、法的な問題はないのでしょうか。

妻が、第三者が閲覧可能なSNSに不倫のことを投稿した行為は、「不倫について口外しない」という和解条項に違反する可能性があります。

匿名か否かという点は、「誰が投稿したのか」ということを証明する際には問題になりますが、妻が正当な理由もなく不倫について投稿したとすれば、その事実自体は和解条項に違反することになるでしょう。

和解条項の違反は、法律上は債務不履行となりますので、女性は、妻に対して、債務不履行により被った損害、具体的には慰謝料を請求できる可能性があります。

また、和解条項に違反するかという問題とは別に、不倫相手の女性を特定し不倫の事実を記載する行為は、その内容が事実であっても、女性の社会的評価を低下させる危険がある行為として名誉毀損になる場合があります。この場合も慰謝料等の請求が可能なケースがあるでしょう。

女性の写真を無断でSNSに掲載することは、女性の肖像権やプライバシーを侵害するおそれがあります。そのため、慰謝料請求ができる可能性があります。

●不倫した女性を「特定」できるかが重要

——妻は「サレ妻」漫画を描き、ネット上で公開しているとのことですが、こちらも匿名とはいえ、和解条項に触れる可能性はありますか。また、女性は妻を名誉毀損で訴えることは可能でしょうか。

この場合も、匿名か否かを問わず、妻の行為をみれば、漫画という手段を用いて、不倫について口外したと認定される可能性があります。そのため、和解条項に違反するおそれはあるでしょう。

名誉毀損に該当するかどうかという点は、匿名か否かということではなく、相手女性を特定(同定)できるか否かが重要となります。その女性の家族、友人、知人等の相当数の第三者がその漫画をみて、その女性であることが分かる場合には名誉毀損に該当する可能性があります。

名誉毀損が成立するためには、その他にも、漫画の掲載によって描写される事実とその描写により、女性の社会的評価が低下することが必要です。これらも認められれば名誉毀損として慰謝料等を請求できる可能性があります。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る