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広瀬めぐみ元議員、娘から断られても「年間1000万円損する」 秘書給与など詐取、初公判で起訴内容認める
2025年02月06日 18時51分
#広瀬めぐみ

勤務実態のない公設秘書の給与などを国からだまし取ったとして、詐欺の罪に問われた元参議院議員の広瀬めぐみ被告人が2月6日、東京地裁で開かれた初公判で「はい。間違いございません」と起訴内容を認めた。

起訴状によると、広瀬被告人は2022年から2023年にかけて、公設第1秘書だった男性の妻を公設第2秘書として採用したように装い、国から給与や退職手当など計約358万円をだまし取った疑い。

当初は、公設秘書の名義として、大学生の娘の名前を使おうと考えたが、弁護士である夫から違法性を指摘されたうえ、娘からも断られたという。

検察側は懲役2年6カ月を求刑した。判決の言い渡しは3月27日。

勤務実態のない公設秘書の給与などを国からだまし取ったとして、詐欺の罪に問われた元参議院議員の広瀬めぐみ被告人が2月6日、東京地裁で開かれた初公判で「はい。間違いございません」と起訴内容を認めた。

起訴状によると、広瀬被告人は2022年から2023年にかけて、公設第1秘書だった男性の妻を公設第2秘書として採用したように装い、国から給与や退職手当など計約358万円をだまし取った疑い。

当初は、公設秘書の名義として、大学生の娘の名前を使おうと考えたが、弁護士である夫から違法性を指摘されたうえ、娘からも断られたという。

検察側は懲役2年6カ月を求刑した。判決の言い渡しは3月27日。

●「今考えるとバカなことをした」

紺のジャケット・スカートと白のカットソー姿で法廷に現れた広瀬被告人。人定質問で「弁護士をしております」と答えた。

広瀬被告人は2001年に弁護士登録。2022年7月の参院選で岩手選挙区から立候補して初当選。2024年8月15日に議員辞職した。同30日、東京地検特捜部に在宅起訴されていた。

被告人質問で、広瀬被告人は動機について「政治活動にお金がかかって、私財を投入しなければならなかった」「(自身の選挙運動を支援した)自民党岩手県連への寄付が負担だった」などと説明した。

公設第1秘書の男性から妻の名義を使うことを提案されて同意したという。

「私はすごく驚いて、私も男性も妻も詐欺になる。大丈夫かと聞いた」
「今考えるとバカなことをしたと思うが、そのときは男性の考えに甘えようと思った」

広瀬被告人から男性に打診した事実はないと主張している。

「違法なことを違法だとちゃんと見る目がなくなっていた。自分でもなぜなんだと思いながら反省しています」
「初めての政治の世界にパッと入って、当選して、足元が浮かれ気味になっていたと思う」

●弁護士の夫「違法だと感じた」と注意喚起

しかし、このような手法は選挙活動中によく耳にしていたという。

検察側は、広瀬被告人が当選からまもなく、娘や息子の名義を使用できないかと考え、何度か大学生(当時)の娘に頼んだとしている。

これを知った弁護士の夫が、広瀬被告人に「パッと見、違法だと感じた」などとメッセージを送ったという。その際、夫はかつての秘書給与詐欺事件を紹介するネット記事を添えたそうだ。

このようなやりとりがあって、娘から断られた広瀬被告人だったが、「やっぱり秘書として登録させてほしい」「年間1000万円損する」などと再び打診しており、それでも受け入れてもらえず、この話は立ち消えになったという。

広瀬被告人は法廷で「(娘から)YESとは返ってくるとは思わず、愚痴のようなものです」と説明した。

●涙をぬぐう後ろ姿…専業主婦で子育てして司法試験勉強は「大変だった」

公設第1秘書の男性が職を辞任した際に、第三者への口外禁止が約束されたという。

検察はこれを「口止め」や「隠蔽」と指摘したが、弁護側は広瀬被告人の「不倫問題」に関してのものと反論した。

弁護側は、問題となった行為が私腹を肥やすためのものではないこと、国庫に約455万円を返納しており、国の損害を弁償しているなどとして、執行猶予付きの判決を求めた。

広瀬被告人が涙ぐむ場面もあった。

専業主婦から一念発起して司法試験の勉強に取り組む中で「子育てしながら勉強するのは大変でした」「司法修習中に娘が生まれたことも大変だった」と振り返った。

証言台の背中越しに、何度も両手で涙をぬぐっている姿が見られた。有罪になった場合、弁護士資格が失われることを指摘されて「はい」とうなずいた。

今後のことはわからないとしながらも、弁護士を志した理由でもある「女性と子どもの権利」のために活動する考えも示した。

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