17385.jpg
産経新聞記者、業務中の飲酒運転で現行犯逮捕 容疑の「酒酔い運転」、酒気帯び運転とどう違う?
2022年04月14日 09時56分

産経新聞千葉総局に勤める男性記者(63)が4月12日、酒に酔って車を運転したとして、道交法違反(酒酔い運転)の疑いで、千葉県警に現行犯逮捕された。

報道によると、男性記者は、同日午後0時半ごろ、千葉市内の片側2車線ある国道で乗用車を運転中、軽乗用車と接触する事故を起こした。通報で駆け付けた警察官が男性記者から酒の臭いを感じたとして、呼気検査を実施。基準値以上のアルコールが検出されたという。軽乗用車の運転手にけがはなかったようだ。

逮捕当時、男性記者は勤務中だったといい、「体内にアルコールが入っていた」と容疑を認めているという。産経新聞は同日、自社のニュースサイトで、「事実関係を確認し、厳正に対処します」との広報部のコメントを公表している。

検出された「基準値以上のアルコール」がどの程度かは明らかでないが、男性記者には「酒酔い運転」の疑いがかかっているようだ。「酒気帯び運転」とはどう違うのか。

産経新聞千葉総局に勤める男性記者(63)が4月12日、酒に酔って車を運転したとして、道交法違反(酒酔い運転)の疑いで、千葉県警に現行犯逮捕された。

報道によると、男性記者は、同日午後0時半ごろ、千葉市内の片側2車線ある国道で乗用車を運転中、軽乗用車と接触する事故を起こした。通報で駆け付けた警察官が男性記者から酒の臭いを感じたとして、呼気検査を実施。基準値以上のアルコールが検出されたという。軽乗用車の運転手にけがはなかったようだ。

逮捕当時、男性記者は勤務中だったといい、「体内にアルコールが入っていた」と容疑を認めているという。産経新聞は同日、自社のニュースサイトで、「事実関係を確認し、厳正に対処します」との広報部のコメントを公表している。

検出された「基準値以上のアルコール」がどの程度かは明らかでないが、男性記者には「酒酔い運転」の疑いがかかっているようだ。「酒気帯び運転」とはどう違うのか。

●「酒気帯び運転」はアルコール濃度で判断

道路交通法は、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と定めたうえで(65条1項)、飲酒運転に対する罰則を2種類に分けている。1つが「酒気帯び運転」(同法117条の2の2第3号)、もう1つが「酒酔い運転」(同法117条の2第1号)だ。

「酒気帯び運転」とは、(1)血中アルコール濃度が血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム以上、(2)呼気中アルコール濃度が呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上、のいずれかに該当する状態で運転することをいう(道交法施行令44条の3)。

アルコール濃度については、基本的に呼気検査(飲酒検知)でおこなう。酒気帯び運転の成否は、基準値以上かどうかのみで判断される。たとえ検査でアルコールが検知されても、アルコール濃度が基準値未満であれば、酒気帯び運転罪にはならない。

逆に、どれほど「自分は酔ってないから大丈夫だ」ということを証明しても、アルコール濃度が基準値以上であれば、酒気帯び運転罪になりうる。法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となっており、決して軽くない。

なお、酒気帯び運転罪については「軽車両を除く」とされているため、軽車両に含まれる自転車での酒気帯び運転は処罰の対象外となるが、自転車での飲酒運転自体は道交法65条1項で禁じていることを忘れてはならない。

●「酒酔い運転」には基準値がない

一方、「酒酔い運転」については、基準値などは特に定められていない。

「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態(酒に酔った状態)」(道交法117条の2第1号)で運転すれば、酒酔い運転罪が成立する。

酒に酔った状態かどうかは、​​一般に、「真っ直ぐ歩けるか」、「ろれつに異常はないか」、「視覚や視点による認知機能は正常か」「手が震えていないか」等の状況から総合的に判断される。

したがって、アルコール濃度がたとえ酒気帯び運転の基準値未満であっても、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で車を運転すれば、酒酔い運転罪になりうる。

たとえば、体質的にアルコールに弱い人なら、酒気帯び運転の基準値に満たない状態でも、「酒に酔った状態」になる可能性はあるだろう。「酒気帯びでない=酒酔いでない」とは限らないのだ。

酒酔い運転の法定刑は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金となっている。酒気帯び運転とは異なり、軽車両も例外ではないため、自転車での酒酔い運転罪は処罰の対象だ。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る