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威圧的なバイトリーダーに他のバイトから苦情、店長が注意しても「心を入れ替えます」…放置のリスクは
2024年11月26日 10時20分
#懲戒 #パワハラ #バイトリーダー

「アルバイトスタッフのリーダーが職場で威圧的な行動をとり、困っています」

そんな相談が弁護士ドットコムに寄せられています。

相談者は、アルバイトスタッフが50人ほど所属する店舗の店長。最近、リーダーに昇格したバイトスタッフのことで、悩みがあるといいます。

相談者によると、このバイトリーダーは他のスタッフへの指示の出し方が威圧的で、複数のスタッフから「精神的につらい」「出勤がつらい」と相談が寄せられるなど、職場環境に悪影響を及ぼしているそうです。

相談者は何度もバイトリーダーにそうした指示の出し方はやめるよう話してきましたが、「心を入れ替えてがんばります」と毎回いうものの、状況は変わらず、うんざりしているとのことです。

バイトリーダーにそうした勤務態度は成績評価や次回の更新契約にも影響すると伝えたいという相談者。一方で、パワハラになるのではないかと心配しています。

バイトリーダーに対してパワハラにならないように指導するにはどういったことに注意すればよいのでしょうか。山田長正弁護士に聞きました。

「アルバイトスタッフのリーダーが職場で威圧的な行動をとり、困っています」

そんな相談が弁護士ドットコムに寄せられています。

相談者は、アルバイトスタッフが50人ほど所属する店舗の店長。最近、リーダーに昇格したバイトスタッフのことで、悩みがあるといいます。

相談者によると、このバイトリーダーは他のスタッフへの指示の出し方が威圧的で、複数のスタッフから「精神的につらい」「出勤がつらい」と相談が寄せられるなど、職場環境に悪影響を及ぼしているそうです。

相談者は何度もバイトリーダーにそうした指示の出し方はやめるよう話してきましたが、「心を入れ替えてがんばります」と毎回いうものの、状況は変わらず、うんざりしているとのことです。

バイトリーダーにそうした勤務態度は成績評価や次回の更新契約にも影響すると伝えたいという相談者。一方で、パワハラになるのではないかと心配しています。

バイトリーダーに対してパワハラにならないように指導するにはどういったことに注意すればよいのでしょうか。山田長正弁護士に聞きました。

●勤務態度を理由に懲戒処分はできるが…

——バイトリーダーの勤務態度を理由に、契約更新しないことや時給を下げること、懲戒処分をすることは可能なのでしょうか。

契約更新を行わないことや懲戒処分は可能です。ただし、これらの場合でも、後の争いを回避するためには、あらかじめ勤務態度を理由としてこれらの処分があることを、就業規則や雇用契約書等で明記しておく必要があります。

また、これらの対応についても、いきなり踏み切るのではなく、必ず先立って口頭か、可能であれば書面等で注意指導しておくべきです。それでも勤務態度が改善されなかった場合に、一定の懲戒処分や、契約更新しないということ、すなわち雇止めを行うことは可能です。

他方、時給を下げる場合は、基本的には、本人の同意がなければならないため、注意を要します。

●バイトリーダーの評価下げることは問題ない

——バイトリーダーの勤務態度を改善させるために、人事評価を下げることや更新契約をしない可能性を伝えることは、パワハラになるのでしょうか。

あまりにも嫌がらせ的な伝え方等は問題になりかねませんが、通常、各処分の可能性について言及することに、何ら問題はありません。

この点、事実確認が不明確な状態で懲戒処分等を行うとその処分等が後に無効となる可能性もあるため、上記で述べたとおり、各処分等を行う前段階で、その事実があったかどうかの確認や、本人に何故そのような問題行動をとったのかという理由や反省の有無等を確認するステップを踏むことが理想的です。

その際に、人事評価に影響することや雇止めに及ぶ可能性についても、書面で併せて伝えておけばよいでしょう。

●放置すれば、店長が賠償責任問われる可能性も

——このバイトリーダーが勤務態度を改善せずに、スタッフたちの不安や不満を放置した場合、店長に法的な問題は生じる可能性はありますか。

場合によっては、店長が賠償責任を問われる可能性もあります。

店長として、バイトリーダーの問題点に気づいていたにもかかわらず、この問題点を放置することにより、他の社員の士気や職場秩序を乱し、業務に支障が出ているということで、職場環境配慮義務違反に問われるリスクがあるためです。

上司がこのような対応をせず問題社員を放置したことにより、他の社員が精神的苦痛や何らかの損害を主張してきた場合、上司ひいては会社がその損害を賠償することにもなりかねませんので、問題社員への対応は迅速に行うことが肝要です。

なお、現実的に、上司の中には、注意指導をしてトラブルになるよりも、問題社員を放置したまま異動等を待った方が楽なので、注意指導を怠る方も散見されます。

このような上司を出さないようにするため、会社としては、注意指導を行えない上司よりも行える上司を高く評価できる体制を整えておく必要があり、この意味で、注意指導が出来ない上司の人事評価を下げたり、何らかの処分を行うことが有用な場合もあります。

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