17566.jpg
「彼氏とやってんの?」男性ばかりの職場でセクハラ横行、社内で相談できずに退職
2021年02月07日 10時01分

皆さんの職場には「ハラスメント被害」を相談できる場所はありますか。2020年6月にいわゆる「パワハラ防止法」が施行され、大企業に対しパワハラ防止措置が義務付けられました(中小企業は2022年4月施行予定)。

その一つに、相談窓口の設置があります。担当者を決めて、従業員からの相談に適切に対応できるようにするというものです。

ただ、小さな会社では、相談窓口の担当者にハラスメントについての知識がなく、近い存在すぎて相談しづらいという状況もあるようです。

弁護士ドットコムニュースのLINEにセクハラとパワハラの体験談を寄せた青木ゆかさん(20代、仮名)もその一人。あまりのひどい状況に、青木さんは退職を決意しています。

入社してから4年近く、複数の上司から机を足蹴りされたり「(お前を)嫁になんてもらえねえよ」などと悪口を言われたりしていますが、「担当者が信頼できず、会社には相談しづらい」とこぼします。

皆さんの職場には「ハラスメント被害」を相談できる場所はありますか。2020年6月にいわゆる「パワハラ防止法」が施行され、大企業に対しパワハラ防止措置が義務付けられました(中小企業は2022年4月施行予定)。

その一つに、相談窓口の設置があります。担当者を決めて、従業員からの相談に適切に対応できるようにするというものです。

ただ、小さな会社では、相談窓口の担当者にハラスメントについての知識がなく、近い存在すぎて相談しづらいという状況もあるようです。

弁護士ドットコムニュースのLINEにセクハラとパワハラの体験談を寄せた青木ゆかさん(20代、仮名)もその一人。あまりのひどい状況に、青木さんは退職を決意しています。

入社してから4年近く、複数の上司から机を足蹴りされたり「(お前を)嫁になんてもらえねえよ」などと悪口を言われたりしていますが、「担当者が信頼できず、会社には相談しづらい」とこぼします。

●「豚」「妊婦」と言われ

青木さんは工場の間接部門で働いており、男性が圧倒的に多い職場です。入社してから「冗談を言いやすい」「反応が面白い」と言われ、「丸いんだから」「豚」「妊婦」などと身体的な悪口を言われるようになりました。

通りすがりに頭をポカンと叩かれたり、二の腕をつねったりされることも。青木さんは「どの人もスキンシップのつもりなんでしょうが、構い方が乱暴なんです」と言います。

飲み会の帰りの車内で助手席に座っていたところ、後部座席に座っていた男性上司に胸を揉まれ、「彼氏とやってんの?」と頻度や内容について聞かれるというセクハラもありました。

「普段仕事の話をしている時は普通なのですが、不意に世間話になると私のことをこき下ろしてきます。あまり真面目な雰囲気でやめてくださいと言えなくて、最近は諦めています」

●「相談したところで何もしてもらえないかな」

「まさかハラスメントが身近にあるなんて、思ってもいなかった」と話す青木さん。泣いて仕事が手につかないようなこともあり、すでに職場に退職届を出したそうです。

ハラスメント相談窓口はあるものの、担当者は総務部長。「事なかれ主義の人で、普段からあまり良くない対応をしているので、相談したところで何もしてもらえないかなと思った」と話します。

長瀬恵利子弁護士は「相談窓口が設置されていても、形式的なもので実際には相談しづらいケースが多い。青木さんと同じような相談をうけたことがあります」と話します。

では、社内の相談窓口が頼れない場合、どこに相談したら良いのでしょうか。

1つは都道府県の労働局です。各都道府県の労働局またはその下部組織の労働基準監督署には、総合労働相談コーナーがあり、セクハラやパワハラなどを相談できる窓口が設けられています。また、訴訟などの法的手続きを取るかどうかにかかわらず、最初から弁護士に相談することも一つの手だといいます。

「ハードルが高く感じられるかもしれませんが、労働局の相談コーナーは、希望があれば会社に対して中立的な立場で聞き取りもしてくれます」(長瀬弁護士)

そのときに、証拠も確保しておくことが大事となる。決定的な証拠は録音や録画ですが、長瀬弁護士によると、それ以外でも証拠になるものがあると言います。

「例えば、LINEのやりとりでセクハラ発言をされた場合、それは証拠になります。また、自分の手帳とか日記に書き留めていた場合も、本人の記憶で記録したものということで証拠にできることもあります。また、心身の不調がある場合には、病院の診断書やカルテも証拠となります」

職場で同僚から暴言を受けていた女性が、1年近く録音をおこない、労基署がそれに基づき労災認定したケースもあります。立証の決め手となることが多いので、覚えておくと良さそうです。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る