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絶対言わないはずの旧姓でアナウンス、ケーキの後に寿司…酷すぎ結婚式、賠償請求できる?
2019年07月11日 09時37分

メルパルクで結婚披露宴を挙げたカップルがネットに投稿した口コミ「あまりにも酷すぎて精神的苦痛で立ち直れない」を紹介したツイッターの投稿が11万回リツイートされ、SNSで大きな話題になっている。

投稿によると、この披露宴は、訳あって友人と兄弟のみの式で、絶対に妻の旧姓を言わない約束だったにも関わらず、打ち合わせの際には毎回旧姓で呼ばれ、式に来ない両親への演出も聞かれて嫌な思いをしたそうだ。しかも当日、式の入場の際には、司会者に旧姓でアナウンスされ、妻は泣くのをこらえながら入場したという。

メルパルクで結婚披露宴を挙げたカップルがネットに投稿した口コミ「あまりにも酷すぎて精神的苦痛で立ち直れない」を紹介したツイッターの投稿が11万回リツイートされ、SNSで大きな話題になっている。

投稿によると、この披露宴は、訳あって友人と兄弟のみの式で、絶対に妻の旧姓を言わない約束だったにも関わらず、打ち合わせの際には毎回旧姓で呼ばれ、式に来ない両親への演出も聞かれて嫌な思いをしたそうだ。しかも当日、式の入場の際には、司会者に旧姓でアナウンスされ、妻は泣くのをこらえながら入場したという。

●引き出物の中に原価の書かれた発注表、コーヒーとケーキの後に巻き寿司

他にも多数の不満が挙げられている。式場見学の際には、1日1組と言われ、他の花嫁を鉢合わせることはないと安心して契約したにも関わらず、実際は自分たちの式の前に、別のカップルの披露宴が入っていたそうだ。夫はタキシードで移動中、他の花嫁と鉢合わせしてしまった。

披露宴の最中には、読まないことになっていた電報が読まれた。夫は電報を断っていたため、妻あての電報だけが読まれ、恥をかいたという。

さらに、2歳の子どもにノンアルコールドリンクをすすめたり、受付をしてくれた兄弟にドリンクの提供がなかったりした。ドリンクのフルコースもなぜかビールだけになり、巻き寿司がコーヒーとケーキの後に出されたそうだ。ゲストの引き出物の中に、原価が書かれた発注表が同封されるミスもあったという。

●メルパルク「誠心誠意対応を進めている」と謝罪

この悲惨な式について、メルパルクが7月8日、サイトで「このたびは、一部のインターネットの書き込みにより、弊社の婚礼サービスをご利用された皆様やご親族の皆様、また、今後ご利用される予定の皆様を含め多くの方々に、ご心配・ご心労をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。弊社は本件につきまして、誠心誠意対応を進めているところでございます」と謝罪している。

画像タイトル

日本テレビ系「スッキリ」によると、式の費用は300万円で、夫婦がホテルに不満を伝えたところ、「弁護士を通じて連絡してほしい」と言われたそうだ。

今回のメルパルクの対応で、「精神的な被害を受けた」として、返金や損害賠償の請求をすることは可能なのか。濵門俊也弁護士に聞いた。

●返金や損害賠償をめぐる考え方

「まずは被害を受けられた方々に対し、お見舞い申し上げます。投稿内容が事実であるとすれば、『人生に一度の結婚式を台無しにされた』精神的苦痛は計り知れないと思います。ただ、実際の投稿内容をみますと、メルパルク側があまり深刻に捉えていないようなコメントもあります。そこで、返金や損害賠償などの請求ができるのかについて考えてみましょう」

まず、基本的な考え方はどうなっているのか。

「結婚式や披露宴というイベントは、特定の日時に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合に当たりますので、イベントが開かれなかったということであれば、催告なしに解除できます(民法542条)。契約を解除することによって、代金の返還を受けることができます(民法545条2項)。

ただ、内容はともかく、開催されていれば、一部履行の提供を受けていることになりますので、原状回復義務(民法545条1項本文)との関係で、全額の返金とはならないかもしれません。その場合でも、損害賠償請求はできます(民法545条3項)」

●全額の返金は難しくても、損害賠償が認められる可能性

今回の件について考えるとどうなるのか。

「投稿内容によれば、結婚式や披露宴当日に一応何かしらの履行がされているようですので、全額返金は難しいでしょう。ただ、投稿内容が事実であれば、明らかに履行内容が不完全ですので、債務の本旨に従った履行があったとはいえません。よって、メルパルク側に対し、不完全履行という債務不履行責任(民法415条)を追及することとなります。

また、メルパルク側には明らかな落ち度(重過失といってもよいと思います)があるといえますので、不法行為責任(民法709条、710条)を追及することもできます(いわゆる請求権競合説、判例・通説)。

また、今回の件では、『精神的な被害を受けた』として損害賠償請求をすることも考えられます。

ちなみに、不法行為に基づく損害賠償請求については民法710条により可能ですが、債務不履行に基づく損害賠償請求については明文がありません。ただ、債務不履行に基づく損害賠償請求についても民法710条が類推適用されるとするのが判例の立場です(最判平成6年2月22日民集48巻2号441頁参照)」

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