1770.jpg
グーグル日本法人による退職勧奨、育休・産休中の社員に実施は「違法」…組合側が発表
2023年11月16日 10時16分

IT大手グーグルの日本法人(グーグル合同会社)で退職勧奨を受けたのは不利益な取り扱いにあたるとして、育休中の従業員らが東京労働局に指導を要請していたことをめぐり、労働組合JMITUの「アルファベットユニオン支部」などが11月14日、都内で記者会見を開き、東京労働局が「違法」と判断したと発表した。

組合によると、元従業員が「法律違反であったことが確定した」と連絡をうけた際、「違法」だとする根拠などは伝えられなかったが、労働局から同社に行政指導をおこなうという。

IT大手グーグルの日本法人(グーグル合同会社)で退職勧奨を受けたのは不利益な取り扱いにあたるとして、育休中の従業員らが東京労働局に指導を要請していたことをめぐり、労働組合JMITUの「アルファベットユニオン支部」などが11月14日、都内で記者会見を開き、東京労働局が「違法」と判断したと発表した。

組合によると、元従業員が「法律違反であったことが確定した」と連絡をうけた際、「違法」だとする根拠などは伝えられなかったが、労働局から同社に行政指導をおこなうという。

●育休・産休中の社員にも退職勧奨

今年1月、米国グーグルが世界で約1万2000人の従業員の解雇を発表した。2月に結成された日本法人の労働組合(JMITU アルファベットユニオン支部)によると、日本でも3月から約200人を対象に退職勧奨が通告されたという。育休・産休中の社員が少なくとも6人いて、そのうち4人が早期退職を受け入れたという。

組合は5月、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法の趣旨に反する取り扱いであるとして、東京労働局に要請していた。

同社社員で組合執行委員長の小林佐保さんによると、今年3月当時、会社から一部従業員には、同意しなければ会社のシステムにアクセスできなくなったり、人事異動があるといった通知があったという。

労働局から「違法」との判断を伝えられた元従業員の組合員は当時、3歳と生後2カ月の子どもを抱えて育休中で「サインしなかったらどうなるかはまったく不透明でした。サインしなければ、退職加算金や再就職支援などのパッケージもなくなり、強制的に解雇になる可能性もあると思っていました」とコメントしている。

小林さんは「こんなことは倫理的に許されないという感覚をもっている」と話す。

また、組合側は11月14日には、グーグル日本法人に対して誠実な交渉をおこなうことなどを求めて、東京労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てた。

行政指導などの実施について、弁護士ドットコムニュースは会社側にコメントを求めている。

また、東京労働局の雇用環境均等部・指導課に「違法判断」について尋ねたが、「個別の事案に関すること答えられない」とした。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る