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請負作業員も「労働者」、未払賃金立替払制度を適用「仲間たちは泣き寝入りしてきた」
2017年07月05日 13時18分

国が倒産した会社に代わって、労働者に対し、未払い賃金を最大8割まで支払ってくれる「未払賃金立替払制度」。この制度の適用をめぐり、このほど「請負」の建設作業員も「労働者」だとして、対象と認められる珍しい判断があった。

7月4日、東京・霞が関の厚労省記者会で報告した代理人の尾林芳匡弁護士は、「手間請けや職人の方は、取引先の倒産でずっと泣き寝入りしてきた。実質が労働者であれば、適用の可能性があるので、ぜひ活用を検討してほしい」と話した。

国が倒産した会社に代わって、労働者に対し、未払い賃金を最大8割まで支払ってくれる「未払賃金立替払制度」。この制度の適用をめぐり、このほど「請負」の建設作業員も「労働者」だとして、対象と認められる珍しい判断があった。

7月4日、東京・霞が関の厚労省記者会で報告した代理人の尾林芳匡弁護士は、「手間請けや職人の方は、取引先の倒産でずっと泣き寝入りしてきた。実質が労働者であれば、適用の可能性があるので、ぜひ活用を検討してほしい」と話した。

●当事者男性「27年間、泣いている仲間をたくさん見てきた…」

当事者の男性(49)は、2013年10月からある建設会社で、金属製建具の取り付け業務に従事した。勤務時間は午前8時から午後5時までで、前日に社長から翌日の現場について指示があったという。

ところが、会社の経営が悪化。2013年12月〜2014年1月分の賃金が一部不払い、2014年2月1日〜3月17日までの分は完全に不払いとなってしまった。男性は、未払い賃金を請求する民事裁判を起こしたが、その途中の2015年1月、会社が破産手続きを開始した。

そこで男性側は未払賃金立替払制度を請求。2015年4月、立川労働基準監督署は、男性が会社の指揮命令に従って働いていたことや、会社が作業道具を用意していたことなどを根拠に労働者性を認め、一部支払い決定を行った。

しかし、ここで1つ問題が残った。会社が「仕事上のミスの弁償」などとして、賃金から差し引いていた分については、合意があったとして支払われなかったのだ。男性側は東京労働局に審査請求(不服申立)を実施。そして2017年3月、東京労働局で、この「相殺分」についても一部支払いが認められた。「労働者」への賃金は全額払いが原則で、事業主が勝手に控除してはならないことになっているからだ(労働基準法24条1項)。

当事者の男性は代理人を通じ、「27年間この仕事をやってきて、泣いている仲間をたくさん見て来た。この判断によって何かが変われば、と願っている」とのコメントを寄せた。

(弁護士ドットコムニュース)

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