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オウム平田信被告を隠匿した斎藤明美被告はなぜ執行猶予にならなかったのか
2012年04月11日 00時00分

元オウム真理教幹部で特別手配されていた平田信(まこと)被告を約14年以上かくまったとして犯人蔵匿罪などに問われた元教団看護師の斎藤明美被告に、2012年3月27日東京地裁で開かれた公判にて懲役1年2ヶ月の実刑判決が言い渡された。

この実刑判決は一部の法曹関係者には驚きをもって迎えられた。斎藤被告は初犯であり、かつ自首していたため、実刑をまぬがれ、執行猶予になると見る向きが少なくなかったのである。

過去の犯人蔵匿の事例をみてみると、例えば大阪地検特捜部の捜査資料改ざん・隠蔽事件で犯人隠避罪に問われた元特捜部長と元同副部長には、両名とも懲役1年6ヶ月・執行猶予3年の判決が下された。また別の事件では、山梨県甲斐市の有限会社神世界グループによる霊感商法事件でグループのトップをかくまった神奈川県警の元警視には懲役2年・執行猶予4年の判決が下されている。

なぜ斎藤被告の場合は執行猶予ではなく実刑となったのか。過去の犯人蔵匿の事例と異なる点は何なのであろうか。

この判決について刑事事件に詳しい萩原猛弁護士は、

「斎藤被告に対する今回の判決で、裁判所は『社会的に著しく危険性の強い凶悪・重要犯罪の容疑者を長期間かくまい、刑事司法や社会に与えた影響は極めて大きい。酌むべき事情を十分考慮しても、執行猶予とすべき事案ではない』と判示しています。裁判所は、オウム真理教という団体の危険性を重大視しており、被告人の自首や反省をもってしても、服役を回避できないとの判断を下しました。」

「多数の生命・身体に甚大な被害を及ぼすような危険集団について、例え間接的にしか関与していない者であっても厳罰に処せられるのだとのメッセージを社会に発し、この種団体への徹底した禁圧の態度を示したものと言えるでしょう。」

との見解を示した。

オウム真理教が起こした一連の事件から15年以上が経過しているが、今回の実刑判決はあらためて事件の重大性を思い起こさせるものといえる。斎藤被告の弁護側は控訴を検討しているとのことで、今後の公判にも注目したい。

(弁護士ドットコムニュース)

元オウム真理教幹部で特別手配されていた平田信(まこと)被告を約14年以上かくまったとして犯人蔵匿罪などに問われた元教団看護師の斎藤明美被告に、2012年3月27日東京地裁で開かれた公判にて懲役1年2ヶ月の実刑判決が言い渡された。

この実刑判決は一部の法曹関係者には驚きをもって迎えられた。斎藤被告は初犯であり、かつ自首していたため、実刑をまぬがれ、執行猶予になると見る向きが少なくなかったのである。

過去の犯人蔵匿の事例をみてみると、例えば大阪地検特捜部の捜査資料改ざん・隠蔽事件で犯人隠避罪に問われた元特捜部長と元同副部長には、両名とも懲役1年6ヶ月・執行猶予3年の判決が下された。また別の事件では、山梨県甲斐市の有限会社神世界グループによる霊感商法事件でグループのトップをかくまった神奈川県警の元警視には懲役2年・執行猶予4年の判決が下されている。

なぜ斎藤被告の場合は執行猶予ではなく実刑となったのか。過去の犯人蔵匿の事例と異なる点は何なのであろうか。

この判決について刑事事件に詳しい萩原猛弁護士は、

「斎藤被告に対する今回の判決で、裁判所は『社会的に著しく危険性の強い凶悪・重要犯罪の容疑者を長期間かくまい、刑事司法や社会に与えた影響は極めて大きい。酌むべき事情を十分考慮しても、執行猶予とすべき事案ではない』と判示しています。裁判所は、オウム真理教という団体の危険性を重大視しており、被告人の自首や反省をもってしても、服役を回避できないとの判断を下しました。」

「多数の生命・身体に甚大な被害を及ぼすような危険集団について、例え間接的にしか関与していない者であっても厳罰に処せられるのだとのメッセージを社会に発し、この種団体への徹底した禁圧の態度を示したものと言えるでしょう。」

との見解を示した。

オウム真理教が起こした一連の事件から15年以上が経過しているが、今回の実刑判決はあらためて事件の重大性を思い起こさせるものといえる。斎藤被告の弁護側は控訴を検討しているとのことで、今後の公判にも注目したい。

(弁護士ドットコムニュース)

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