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マスク不足で盗難や流血沙汰も… 心配して小包に違う品名を書く人続出
2020年02月28日 10時41分

「くつ下」と書かれた小包。開いてみたら「マスク」が入っていた——。そんな写真が2月22日にツイッターで投稿され、話題となっています。

投稿したのは、和華さん ( @waka_tn )。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、実家の両親が和華さんを心配し、マスクを郵送してくれたのですが、「品名」に「くつ下」と書かれていたそうです。一体、なぜ?

「くつ下」と書かれた小包。開いてみたら「マスク」が入っていた——。そんな写真が2月22日にツイッターで投稿され、話題となっています。

投稿したのは、和華さん ( @waka_tn )。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、実家の両親が和華さんを心配し、マスクを郵送してくれたのですが、「品名」に「くつ下」と書かれていたそうです。一体、なぜ?

●「このご時世だから…」という親心

和華さんのツイートにはこんなことが書かれていました。

「実家の両親が心配してマスクを送ってくれたのだけれど、このご時世だからと盗難を恐れた父の案により賄賂感ただよう荷物が届いた。」

和華さんのお父さんが「このご時世」というには理由があります。マスク不足が続き、神戸赤十字病院では2月18日、マスク6000枚が盗難被害に遭いました。2月21日には、静岡県内の消防署職員が備品のマスクをネットフリマの「メルカリ」に出品していたといいます。消防本部は警察に被害届を出しました。

また、2月25日には横浜市のドラッグストア前で購入するために並んでいた男性2人が喧嘩となり、とうとう流血の騒ぎとなったと報じられています。マスク不足をめぐって殺伐とする中、お父さんが心配になったのも無理はありません。

和華さんは弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「『衣類』や『布製品』等の記載で良かったのではないかと思いましたが、父なりのジョークだったんでしょうね。面白かったのでおもわずツイートしました」と話しています。

他にもツイッターでは同様のケースが投稿されています。家族がマスクを送る際、「新聞」と書いたものの、郵便局で「軽すぎる」と指摘され、マスクに訂正したという人や、手指消毒剤が「果物」と書かれて送られてきたという人もいました。中には缶詰などの食品の間に入れて送る…といった人もいるようです。

●消毒液は郵送できる?

ところで、なぜ小包の送り状に「品目」を書く必要があるのでしょうか。弁護士ドットコムニュースが日本郵便に取材したところ、「ゆうパック約款第3条に基づき、送り状に荷物の品名をご記載いただいております」と回答がありました。

第3条には送り状について、「荷物の品名」と「運送上の特段の注意事項(壊れやすいもの、変質又は腐敗しやすいもの等荷物の性質の区分その他必要な事項を記載するものとします」と定めています。

その理由の一つは、引火や爆発の恐れから、航空機で輸送できないものがあるからです。たとえば、香水やマニキュアなどアルコール分が24%を超える液状の化粧品、アルコール度数が70度を超えるアルコール飲料などです。

また、危険物などが入っていないか、内容を確認できるよう、「日用品」ではなく「衣服」「食品」と細かく書くことなどを求めています。

ちなみに、手指用のアルコール消毒液は度数が60%未満であれば、空輸はできないものの、陸送で受け付けてくれるそうです。なお、ゆうパックには補償もありますが、正しい品名が書いていないと、補償されない場合もあるのでご注意ください。

盗難を心配する気持ちもわかりますが、安全な郵送のためにもきちんと品名を書いた方が良さそうです。

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