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落合陽一さん「愛妻」がインスタで結婚指輪を披露するも実は「なりすまし」…法的問題は?
2018年03月19日 15時34分

「現代の魔術師」との異名を持つメディアアーティストで、筑波大学准教授の落合陽一さんの妻を名乗るアカウントがFacebookやInstagramなどに出現、その後、落合さん本人がTwitterで妻ではないと否定するという騒ぎがあった。

落合さんは既婚者。問題のアカウントは、SNSで「落合陽一の妻」を名乗り、第三者に「落合の妻です」とメッセージを送ったり、結婚指輪の写真を投稿してのろけたりしていたという。しかし、3月15日に落合さんがこれらの投稿を公式Twitterで「妻じゃない」と否定。その後、アカウントが削除されるなどした。

直接的なストーキング行為ではなく、ネットで勝手に有名人の妻や恋人を名乗ることに、どのような法的問題があるのだろうか。清水陽平弁護士に聞いた。

「現代の魔術師」との異名を持つメディアアーティストで、筑波大学准教授の落合陽一さんの妻を名乗るアカウントがFacebookやInstagramなどに出現、その後、落合さん本人がTwitterで妻ではないと否定するという騒ぎがあった。

落合さんは既婚者。問題のアカウントは、SNSで「落合陽一の妻」を名乗り、第三者に「落合の妻です」とメッセージを送ったり、結婚指輪の写真を投稿してのろけたりしていたという。しかし、3月15日に落合さんがこれらの投稿を公式Twitterで「妻じゃない」と否定。その後、アカウントが削除されるなどした。

直接的なストーキング行為ではなく、ネットで勝手に有名人の妻や恋人を名乗ることに、どのような法的問題があるのだろうか。清水陽平弁護士に聞いた。

●落合さん「本当の妻」の「アイデンティティ権」を侵害している可能性も

勝手に有名人の妻や恋人を名乗り、SNSでそれらしく振る舞う行為はどのような法的問題がある?

「有名人の妻や恋人を名乗り、SNSでそれらしく振る舞うことは、一種の『なりすまし』の被害といえます。

『なりすまし』を直接に違法とする法律はありません。しかし、『なりすまし』による行動が他者の権利を侵害しているケースは往々にしてあり、『なりすまし』の態様にもより違法になる可能性は十分あります。

まず、『なりすまし』をした上で、なりすまされた人の社会的評価を低下させるような言動、行動を繰り返しているようなケース(たとえば、他人を罵ってばかりいるなど)では、名誉毀損を問題にすることができます。ただ、今回のケースでは落合氏の妻を名乗っているものの、社会的評価を低下させるものではないようです。

次に、なりすまされた人の私生活を実際に暴露していたり、私生活上のものと誤解されるような情報を流している場合、プライバシー権侵害となる可能性があります。一般的に、私生活上の事実らしく受け取られる情報もプライバシーの保護範囲に含まれています。今回のケースでは、まさにこれに当たると思われます。

そのため、落合氏の妻のプライバシー権を侵害しているということができ、また、投稿された内容次第では落合氏本人のプライバシー権も侵害しているという余地があります。

なお、大阪地裁平成28年2月8日判決によって『アイデンティティ権』という概念が認められました。これは、『他者との関係において人格的同一性を保持する利益』であるとされています。

受忍限度を超えるような『なりすまし』がある場合は、この利益を侵害するものといえます。そのため、今回のケースでも、落合氏の妻がアイデンティティ権侵害を主張する余地もあるといえます。

(弁護士ドットコムニュース)

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