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診療を拒めない「応召義務」は医師の呪縛…厚労省検討会、過重労働対策で激論
2018年09月19日 18時41分

「医師の働き方改革に関する検討会」が9月19日、東京・霞が関の厚生労働省であった。前回会合に引き続き、正当な理由(事由)なく診療を拒めない「応召義務」や病院内に自主的に残って学ぶ「自己研鑽」など、医師の過重労働の原因とされる問題が取り上げられた。一部の出席者は応召義務を「呪縛」と表し、言葉自体を変えていく必要性を指摘した。

「医師の働き方改革に関する検討会」が9月19日、東京・霞が関の厚生労働省であった。前回会合に引き続き、正当な理由(事由)なく診療を拒めない「応召義務」や病院内に自主的に残って学ぶ「自己研鑽」など、医師の過重労働の原因とされる問題が取り上げられた。一部の出席者は応召義務を「呪縛」と表し、言葉自体を変えていく必要性を指摘した。

●「義務という言葉は非常に強い」

この日は、応召義務について扱う厚労省研究班メンバーの岩田太・上智大法学部教授が、法的解釈の中間整理を説明した。研究班は8月29日に第1回会合を、9月5日に第2回会合を開いたばかり。日本医師会や学者、弁護士ら計7人で構成されている。

岩田教授は「応召義務は医師の倫理を定めているにすぎず、無制限に医師を働かせることを想定していない。制定過程を見ればそれ以前に付いていた罰則が削除されるなど、強い規制をしているものではない。国民の健康のために『死ぬまで働き続けろ』ということではない」などと述べた。

出席者からは「これで応召義務の呪縛から逃れられるかな」「国民にしっかり知ってもらわないと、結局は医療機関が説明責任を負うことになる」「義務という言葉は非常に強く、この言葉自体どうだろうか」などの声が上がった。岩田教授は、現状では応召義務という言葉を「診療義務」などと言い換えることを検討していると明かした。

●厚労省「たたき台、早急に示す」

また、医師の働き方改革をめぐっては、医師の「自己研鑽」についても労働時間として扱うべきか否か、議論の必要性が指摘されている。

このため複数の出席者が、厚労省として具体的な見解を示すよう要求。「事務局が考える基準の原案がない限り議論のしようがない。早急に案を出していただくことが、議論のたたき台になる。いつ頃までに出してくれるのか」などと求めた。厚労省担当者は「今の時点で何日と申し上げるのは難しいが、できるだけ早く出してご議論の時間を取りたい」と答えた。

(弁護士ドットコムニュース)

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