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激務による過労やうつ病には要注意!会社と揉めずに労災申請をするには
2012年09月06日 15時00分

激務による過労死や、うつ病を発症する社会人が後を絶たないことから、近年は「ワーク・ライフ・バランス」が叫ばれ、人々の働き方が見直されるようになってきた。しかし企業や職種によっては、個人の意識だけで働き方を変えることは難しく、際限なく仕事を続けざるをえない人がいるのも事実だ。なかには連日の終電帰りだけでなく、週末も仕事に充てているという社会人もいるだろう。

一部には「ブラック企業」と呼ばれ、あまりに過酷な労働環境が常態化している会社も存在し、そのような会社では「通勤途中に意識を失ってそのまま病院へ搬送された。」「運転中に居眠りをしてしまい事故を起こした。」など、信じられないようなエピソードすらもよくある話だという。しかし、そのような状況ではどんなに体力に自信がある人でも体調を崩す事はありえることで、また睡眠不足が続くと、仕事上のケアレスミスだけでなく、大きな事故にもつながりかねない。

通勤を含めた勤務時間内の事故は原則、労災補償を請求できるものではあるが、実際は請求に対していい顔をしない企業がある。そのような会社に勤める人のなかには、会社との関係悪化を恐れ、労災補償を請求できずに通院費などで自腹を切った経験があるという人もいるだろう。

それでは、会社との関係性を良好に保ったまま、スムーズに労災補償を請求できる方法はあるのだろうか。また、労災補償を請求できる基準はあるのか。労務問題に詳しい、黒岩英一弁護士に話を聞いた。

●会社の協力が得られない場合には、労基署に申請を行うことも可能

「会社が労災を隠したがっている場合には、利害が対立するため、敵対関係にならざるを得ません。しかしきちんと請求するためには、毅然とした態度で、必要書類の請求などを行う必要があります。会社から労災の証明に協力してもらえなくても、労働基準監督署(労基署)に労災の申請を行うことは可能です。」

「会社が当惑しているようであれば、当然の手続きをおこなっているだけであり、会社に対して不当な攻撃を加えたりはしないことを理解してもらうべきです。安全配慮義務違反となるような事情があるなら、良い機会と捉えて、労働環境の見直しを図る契機としてもらうことも肝要でしょう。」

●精神障害が労災と認定される可能性もあり

「労災補償を受けるための基準については、労基法第75条以下に定められており『業務上負傷し、又は疾病にかかった場合』に労災を請求できます。厚生労働省は、うつ病などの精神障害や自殺等の労災認定について具体的な基準を示しました(平成23年12月26日付け 基発1226第1号)。時間外労働時間は1つの考慮要素ですが、1ヶ月に100時間以上の時間外労働を行っていると、他の要因と重なって、精神障害が労災と認定される可能性があります。『労災かもしれない』と思ったら一人で悩まず、労基署や弁護士に相談して欲しいと思います。」

労災申請は労働者の権利なので、まずは毅然とした態度で手続きに臨んだ方が良いが、会社がまともに応じないことが明らかな場合や、何らかの理由により会社側と話がしにくいような場合もあるだろう。そのような場合には黒岩弁護士のいう通り、弁護士、労基署に相談するなど、周りの協力を得る方法を検討してみてほしい。

また、そもそもの労働環境の改善についても、自分一人でなく同じ問題で悩んでいる同僚数名と共に会社に改善を訴えるなど、労働者同士での協力も有効な方法になりそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)

激務による過労死や、うつ病を発症する社会人が後を絶たないことから、近年は「ワーク・ライフ・バランス」が叫ばれ、人々の働き方が見直されるようになってきた。しかし企業や職種によっては、個人の意識だけで働き方を変えることは難しく、際限なく仕事を続けざるをえない人がいるのも事実だ。なかには連日の終電帰りだけでなく、週末も仕事に充てているという社会人もいるだろう。

一部には「ブラック企業」と呼ばれ、あまりに過酷な労働環境が常態化している会社も存在し、そのような会社では「通勤途中に意識を失ってそのまま病院へ搬送された。」「運転中に居眠りをしてしまい事故を起こした。」など、信じられないようなエピソードすらもよくある話だという。しかし、そのような状況ではどんなに体力に自信がある人でも体調を崩す事はありえることで、また睡眠不足が続くと、仕事上のケアレスミスだけでなく、大きな事故にもつながりかねない。

通勤を含めた勤務時間内の事故は原則、労災補償を請求できるものではあるが、実際は請求に対していい顔をしない企業がある。そのような会社に勤める人のなかには、会社との関係悪化を恐れ、労災補償を請求できずに通院費などで自腹を切った経験があるという人もいるだろう。

それでは、会社との関係性を良好に保ったまま、スムーズに労災補償を請求できる方法はあるのだろうか。また、労災補償を請求できる基準はあるのか。労務問題に詳しい、黒岩英一弁護士に話を聞いた。

●会社の協力が得られない場合には、労基署に申請を行うことも可能

「会社が労災を隠したがっている場合には、利害が対立するため、敵対関係にならざるを得ません。しかしきちんと請求するためには、毅然とした態度で、必要書類の請求などを行う必要があります。会社から労災の証明に協力してもらえなくても、労働基準監督署(労基署)に労災の申請を行うことは可能です。」

「会社が当惑しているようであれば、当然の手続きをおこなっているだけであり、会社に対して不当な攻撃を加えたりはしないことを理解してもらうべきです。安全配慮義務違反となるような事情があるなら、良い機会と捉えて、労働環境の見直しを図る契機としてもらうことも肝要でしょう。」

●精神障害が労災と認定される可能性もあり

「労災補償を受けるための基準については、労基法第75条以下に定められており『業務上負傷し、又は疾病にかかった場合』に労災を請求できます。厚生労働省は、うつ病などの精神障害や自殺等の労災認定について具体的な基準を示しました(平成23年12月26日付け 基発1226第1号)。時間外労働時間は1つの考慮要素ですが、1ヶ月に100時間以上の時間外労働を行っていると、他の要因と重なって、精神障害が労災と認定される可能性があります。『労災かもしれない』と思ったら一人で悩まず、労基署や弁護士に相談して欲しいと思います。」

労災申請は労働者の権利なので、まずは毅然とした態度で手続きに臨んだ方が良いが、会社がまともに応じないことが明らかな場合や、何らかの理由により会社側と話がしにくいような場合もあるだろう。そのような場合には黒岩弁護士のいう通り、弁護士、労基署に相談するなど、周りの協力を得る方法を検討してみてほしい。

また、そもそもの労働環境の改善についても、自分一人でなく同じ問題で悩んでいる同僚数名と共に会社に改善を訴えるなど、労働者同士での協力も有効な方法になりそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)

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