「こちら成田空港国際警察署 生活安全課 遺失物センターです」。そんな仰々しい肩書きを名乗る電話が、ある日突然かかってきた。
よくある自動音声ガイダンスだが、直感的に「あやしすぎる」と感じた。慌ててICレコーダーを用意していると、二度目の読み上げが始まった。
「あなたのお名前が記載されている遺失物が届いております。まだお受け取りいただいていない場合は、1を押して担当部署までご連絡ください」
思わず「1」を押して真相を確かめようと身構えた瞬間、電話はプツリと途切れてしまった。まったくの肩透かしである。
●警視庁「すぐに電話を切ってください」
警視庁広報課は9月2日、公式Xで注意を呼びかけている。
「遺失物センターから電話をする際、自動音声で案内することは絶対にありません。そのような不審な電話が掛かってきた場合は、すぐに電話を切ってください」
さらにホームページでも「個人情報を聞き出したり、金銭を要求することはありません。不審な電話には出ない、電話を掛けないようにしてください」と念押ししている。
今回の発信元は「0800」から始まる番号だった。仮に、あのまま「担当部署」につないでいたらどうなっていたのかは不明だが、こちらの「財布の中身」が消えていた可能性も十分ありうる。
心当たりのない電話には、掛け直さず即座に切る──。それが身を守る一番の対策だろう。