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路線バスに「行かないで!」追いついても何故、乗せてくれない?
2019年10月24日 09時30分

待って! 行かないでーー。全速力で走る客を待ってくれず、走り去ってしまう路線バス。

ネット上には「遅れた人は走ってくるのが見えても待つ必要はない」という意見がある一方で、「サイドミラーで見えているはずなのに、待ってくれないのマジなんなの?」「バスは平気で遅れてくるのに、こちらが遅れたら1秒も待ってくれない」などの怒りの声も少なくありません。

中には、時刻表の時間になる前なのに、待ってもらえなかったという人もいるようです。

他方で、「ダッシュしている娘のためにバスが1分ほど待ってくれた。運転手さんありがとう」「もう間に合わんわとか思いながら走っていたら、バス待ってくれた。神」など、待ってくれた運転手に対する感謝の言葉も上がっています。

しかし、基本的にバスは客を待ってくれません。もし、バスを追いかけ、無理やり止めた場合、法的にどのような問題があるのでしょうか。また、停留所から離れた場所で追いついた場合、乗せてもらうことはできるのでしょうか。山岡嗣也弁護士 に聞きました。

待って! 行かないでーー。全速力で走る客を待ってくれず、走り去ってしまう路線バス。

ネット上には「遅れた人は走ってくるのが見えても待つ必要はない」という意見がある一方で、「サイドミラーで見えているはずなのに、待ってくれないのマジなんなの?」「バスは平気で遅れてくるのに、こちらが遅れたら1秒も待ってくれない」などの怒りの声も少なくありません。

中には、時刻表の時間になる前なのに、待ってもらえなかったという人もいるようです。

他方で、「ダッシュしている娘のためにバスが1分ほど待ってくれた。運転手さんありがとう」「もう間に合わんわとか思いながら走っていたら、バス待ってくれた。神」など、待ってくれた運転手に対する感謝の言葉も上がっています。

しかし、基本的にバスは客を待ってくれません。もし、バスを追いかけ、無理やり止めた場合、法的にどのような問題があるのでしょうか。また、停留所から離れた場所で追いついた場合、乗せてもらうことはできるのでしょうか。山岡嗣也弁護士 に聞きました。

●停留所以外の場所でバスを停車させ、客を乗降させることは「違法」

ーー路線バスは、停留所以外の場所で客を乗せることはできるのでしょうか

「道路運送法では、路線バス事業をおこなうためには、路線や停留所の位置などを特定した事業計画などを記載した上で、国土交通大臣の許可を受ける必要があるとされています。また、停留所の位置を変更したときは届出が必要となります。

この事業計画は、路線バスの運転手が臨機応変に変更できるものではありません。

このため、停留所以外の場所でバスを停車させ、客を乗降させることは違法となります。安全面からも、停留所以外の場所で客を乗降させることは避けるべきでしょう」

ーーもし、客が路線バスを追いかけ、停留所以外の場所で乗車しようと無理やりバスを止めた場合、どのような問題があるのでしょうか

「バス会社からは違法な営業妨害などと非難される可能性があります。また、客の行為が原因で交通事故などが発生すれば、被害者から責任を追及されることになるでしょう」

●バスは時刻表の時間より前に発車してはならない

ーー時刻表の時間になる前なのに、待ってもらえなかったという人もいるようです。路線バスが時刻表に記載された時間よりも早く発車することは許されるのでしょうか

「旅客自動車運送事業運輸規則では、停留所に掲示した発車時刻前に路線バスを発車させること(早発)を禁止しています。

バスが早発していれば、バスの運転手が違法行為をしていることになります。そのため、文句の一つも言いたくなるでしょう。

それでも、前記の理由から、停留所から離れた場所での乗降は避けるべきです。

バスの早発が続くようであれば、まずはバス会社に苦情を訴えましょう。それでも改善しないようであれば、その地域の運輸局に申し出るなどの対応がよろしいのではないかと考えます」

●無料で弁護士に相談する

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