26.jpg
夫にだまされ、「養育費」をもらわず離婚して後悔…条件の変更は可能?
2017年02月27日 10時57分

財産分与や養育費について、離婚後でも見直しはできるのでしょうか。弁護士ドットコムの体験談募集コーナーに、そんな質問が寄せられました。 相談を寄せた女性によれば、離婚は弁護士を通さずに、2人の話し合いによる「協議離婚」をしました。離婚の条件として、「親権は妻がもつ」「月々の養育費の代わりに、学校にかかるお金を支払う」「住居は夫が住むが、子どもに相続させる」などと定めたそうです。

ところが離婚して1年もしないうちに、夫は態度を変えました。長女の一学期分の学費は支払ったものの、「次回以降は自分で払うように。親権をとったのは君なのだから払うのは当然」と吐き捨てました。養育費をもらわず、家も追い出されたため生活が苦しいことを伝えると「いったんは払うが、あとで本人に働いて返してもらう」と主張しています。

そもそも離婚を言い出したのは夫でした。暴言で追い詰められ、「一緒にいると不愉快」だとして実家に戻るよう命令されたことをきっかけに別居。上記の条件を「鵜呑みにし、とても不利な条件で離婚届を提出してしまいました」と今になって後悔しているそうです。生活は苦しい状況です。夫が住み続ける住戸の頭金は、女性も負担しています。

離婚前に「養育費はいらない」、また不利な財産分与で合意してしまった場合でも、離婚後に条件を変えることは可能なのでしょうか。山田 訓敬弁護士に聞きました。

財産分与や養育費について、離婚後でも見直しはできるのでしょうか。弁護士ドットコムの体験談募集コーナーに、そんな質問が寄せられました。 相談を寄せた女性によれば、離婚は弁護士を通さずに、2人の話し合いによる「協議離婚」をしました。離婚の条件として、「親権は妻がもつ」「月々の養育費の代わりに、学校にかかるお金を支払う」「住居は夫が住むが、子どもに相続させる」などと定めたそうです。

ところが離婚して1年もしないうちに、夫は態度を変えました。長女の一学期分の学費は支払ったものの、「次回以降は自分で払うように。親権をとったのは君なのだから払うのは当然」と吐き捨てました。養育費をもらわず、家も追い出されたため生活が苦しいことを伝えると「いったんは払うが、あとで本人に働いて返してもらう」と主張しています。

そもそも離婚を言い出したのは夫でした。暴言で追い詰められ、「一緒にいると不愉快」だとして実家に戻るよう命令されたことをきっかけに別居。上記の条件を「鵜呑みにし、とても不利な条件で離婚届を提出してしまいました」と今になって後悔しているそうです。生活は苦しい状況です。夫が住み続ける住戸の頭金は、女性も負担しています。

離婚前に「養育費はいらない」、また不利な財産分与で合意してしまった場合でも、離婚後に条件を変えることは可能なのでしょうか。山田 訓敬弁護士に聞きました。

●養育費を請求する「調停」を行うことが可能

「離婚後でも、養育費を求めて調停を行うことは可能です。離婚した後も、子どもを扶養する義務は変わらずにありますので、親権者ではない親であっても、子どもが経済的に自立するまでは、養育費を支払わなければなりません。

したがって、離婚後にその相手方が養育費を支払わなくなった場合、養育費の支払を求めるため、家庭裁判所に養育費請求調停の申立をすることができます」

では、婚姻中に夫婦が築いた財産をわける「財産分与」についても、見直しを求めることはできるのか。

「財産分与を、離婚後に求めることも可能です。財産分与とは、夫婦が婚姻中に協力して得た財産を、離婚する際、または離婚後に分けることをいいます。

現在夫が住んでいる家は、相談者も頭金を支払ったということから、住宅ローンを組んで購入したものだと思われます。婚姻期間中の住宅ローンの支払は、たとえ夫が自分名義の預金口座等から支払っていたとしても、それは相談者の協力があってのことで、いわば夫婦一緒に払ってきたといえるものです。したがって、夫婦の共有財産として財産分与の対象になると考えられます。

ただし、財産分与は離婚から2年以内に請求しないとできなくなってしまいますので、その点は、注意が必要です」

●住宅ローンが残っていると・・・

現在、家には夫が住んでいるが、どのように分けてもらうことができるのか。

「夫が家に住み続けるのであれば、相談者に対して、家の価値の半分に相当する現金を支払ってもらうことが考えられます。しかし、その金額が家の時価(売却する際の値段)になるかというと、そう単純ではありません。

なぜなら、家には住宅ローンが残っていると思われるからです。この場合、家の時価から住宅ローン残高を控除した金額を基準として、現金にて精算する等の方法となるでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る