30.jpg
共謀罪→テロ等準備罪「本質は何も変わっていない」日弁連が法案に反対の意見書
2017年02月23日 17時36分

政府が「共謀罪」の要件を変えて新設を目指す「テロ等準備罪」について、日本弁護士連合会は2月23日、法案に反対する意見書を法務省に提出した。

これまで、共謀罪は過去3度国会に提出されたが、犯罪行為をしていない話し合いの段階などでも処罰が可能となることから、恣意的に運用されるおそれがあるといった批判を受け、いずれも廃案となった。「テロ等準備罪」では、犯罪の主体を「組織的犯罪集団」に限定することや、犯罪の計画だけでなく準備行為も必要とするなど、これまでの共謀罪にはなかった要件を盛り込み、政府が立法を目指している。

日弁連は意見書で、新たな要件が盛り込まれたとしても「(犯罪そのものではなく)犯罪を実行する意思を処罰の対象とする姿勢に変化はない」と指摘。これまでの共謀罪法案と同じく、恣意的な運用がされるおそれがあると強調した。

また、政府が、国際組織犯罪防止条約を締結するために国内法を整備する必要があると主張している点について、主要な暴力犯罪については、犯罪を実行する前段階の「予備」「陰謀」「準備」段階を処罰する規定がすでに存在していることに触れ、「新たな立法をする必要性は乏しい」と指摘した。

提出に先立ち、2月22日に東京・霞が関の弁護士会館で行われた記者会見で、日弁連副会長の山口健一弁護士は、「法案の呼び方が変わったり、『組織犯罪集団』や『準備行為』など言葉が変わったりしているが、本質は何も変わっていない。これまでの法案と同じく、日弁連としては(法案に)反対というスタンスだ」と述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

政府が「共謀罪」の要件を変えて新設を目指す「テロ等準備罪」について、日本弁護士連合会は2月23日、法案に反対する意見書を法務省に提出した。

これまで、共謀罪は過去3度国会に提出されたが、犯罪行為をしていない話し合いの段階などでも処罰が可能となることから、恣意的に運用されるおそれがあるといった批判を受け、いずれも廃案となった。「テロ等準備罪」では、犯罪の主体を「組織的犯罪集団」に限定することや、犯罪の計画だけでなく準備行為も必要とするなど、これまでの共謀罪にはなかった要件を盛り込み、政府が立法を目指している。

日弁連は意見書で、新たな要件が盛り込まれたとしても「(犯罪そのものではなく)犯罪を実行する意思を処罰の対象とする姿勢に変化はない」と指摘。これまでの共謀罪法案と同じく、恣意的な運用がされるおそれがあると強調した。

また、政府が、国際組織犯罪防止条約を締結するために国内法を整備する必要があると主張している点について、主要な暴力犯罪については、犯罪を実行する前段階の「予備」「陰謀」「準備」段階を処罰する規定がすでに存在していることに触れ、「新たな立法をする必要性は乏しい」と指摘した。

提出に先立ち、2月22日に東京・霞が関の弁護士会館で行われた記者会見で、日弁連副会長の山口健一弁護士は、「法案の呼び方が変わったり、『組織犯罪集団』や『準備行為』など言葉が変わったりしているが、本質は何も変わっていない。これまでの法案と同じく、日弁連としては(法案に)反対というスタンスだ」と述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る