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コインチェック補償金、やっぱり課税の悲報「とばっちりもいいところ」…国税庁見解の考察
2018年04月21日 08時17分

仮想通貨交換業者コインチェックから巨額の仮想通貨「NEM」が不正流出し、コインチェックは3月に対象となる顧客26万人に対して計約460億円の補償を日本円で行った。その補償金が課税対象となるかどうか注目が集まっていたが、国税庁は4月16日、「雑所得として課税する」との見解を発表した。

流出問題の被害者である顧客にとっては、多少覚悟していたとしても「悲報」だろう。国税庁は、補償金を得るということが、補償金と同額で仮想通貨を売って利益を得ることと同じ結果になると捉え、「非課税となる損害賠償金には該当せず、雑所得として課税の対象となります」との見解を示した。

一方、補償金がもともとの取得価額を下回る場合、下回った部分は損失として、他の雑所得と通算することができるとの見解もあわせて示した。(給与所得など他の所得との通算はできない)

仮想通貨交換業者コインチェックから巨額の仮想通貨「NEM」が不正流出し、コインチェックは3月に対象となる顧客26万人に対して計約460億円の補償を日本円で行った。その補償金が課税対象となるかどうか注目が集まっていたが、国税庁は4月16日、「雑所得として課税する」との見解を発表した。

流出問題の被害者である顧客にとっては、多少覚悟していたとしても「悲報」だろう。国税庁は、補償金を得るということが、補償金と同額で仮想通貨を売って利益を得ることと同じ結果になると捉え、「非課税となる損害賠償金には該当せず、雑所得として課税の対象となります」との見解を示した。

一方、補償金がもともとの取得価額を下回る場合、下回った部分は損失として、他の雑所得と通算することができるとの見解もあわせて示した。(給与所得など他の所得との通算はできない)

●見解は「妥当」だが、納税プランも関係なし

国税庁による見解を税理士はどう捉えるか。田中隆昭税理士は以下のように指摘する。

「仮想通貨NEMの流出事件は、金融庁が取引業者への監視について、より一層強化するなど、波紋を呼んでいますよね。その波紋の一つに、国税庁が発表した補償金への課税上の取り扱いがあります。

内容を見てみますと、極めて常識的なものです。仮想通貨の買取価格相当額を補償額とするものですから、公表されている通りの取り扱いが妥当かと思います。

しかしながら、NEM保有者で補償を受けた方は、納税プランも関係なしに意図しないタイミングで課税されてしまうことになってしまいます。多額の納税を強いられる投資家にとっては、とばっちりもいいところですね」

●顧客、さらなる利用者保護を期待

補償は実際にどのように行われたのか。ある顧客(20代男性)の場合、事前に発表されていたとおり、3月12日に口座に振込があった。振り込まれた金額は、保有する約8000XEM(NEMの取引単位)に、補償レートをかけた約70万円。取得価額と比べて損は出なかった。「ひと安心」し、補償金の全額を別の仮想通貨の買い増しにあてたという。

この顧客は、流出事件などのトラブルが続出する仮想通貨業界について、「規制が強化されることで、利用者保護につながります。結果として利用者が増え、仮想通貨の価値が上昇するのではないかと考えています」。また、補償をしたコインチェックに対しては「コインチェックの体力に驚きました。儲かりすぎです」と話した。

【取材協力税理士】

田中 隆昭(たなか・たかあき)税理士

上場企業で20年近く勤務し、主に海外におけるM&Aにたずさわってきました。現場に密着し事業企画の立案やその実行支援の経験が豊富で、独立後はその経験を活かし銀行融資に強みを持つ。

事務所名   :田中隆昭税理士事務所

事務所URL:https://tanaka-zeirisi.com/

(取材:弁護士ドットコムニュース記者 下山祐治)早稲田大卒。国家公務員1種試験合格(法律職)。2007年、農林水産省入省。2010年に朝日新聞社に移り、記者として経済部や富山総局、高松総局で勤務。2017年12月、弁護士ドットコム株式会社に入社。twitter : @Yuji_Shimoyama

(弁護士ドットコムニュース)

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