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うどんすきの名店「東京美々卯」、元従業員らが解雇無効求めて提訴 コロナ理由にスピード閉店
2020年07月14日 19時00分

うどんすきで知られる「東京美々卯」の元従業員9人と労働組合が同社に対して、解雇の無効やその間の賃金、慰謝料などを求めて7月14日、東京地裁に提訴した。賃金を除く損害賠償部分の総額は約2500万円。

訴状などによると、東京美々卯は新型コロナウイルス禍による緊急事態宣言後、「手元資金が充分ある間に閉店したい」として会社の清算を決定。今年5月20日に全店閉鎖と会社解散をした。これに伴い約150人が職を失った。

原告らは、宣言によって全6店舗中5店舗が休業となったものの、営業の継続が十分に可能であったと主張。解雇回避の努力や誠実な協議など「整理解雇の四要件」を満たしていないなどとしている。

5月19日の同社リリースより

うどんすきで知られる「東京美々卯」の元従業員9人と労働組合が同社に対して、解雇の無効やその間の賃金、慰謝料などを求めて7月14日、東京地裁に提訴した。賃金を除く損害賠償部分の総額は約2500万円。

訴状などによると、東京美々卯は新型コロナウイルス禍による緊急事態宣言後、「手元資金が充分ある間に閉店したい」として会社の清算を決定。今年5月20日に全店閉鎖と会社解散をした。これに伴い約150人が職を失った。

原告らは、宣言によって全6店舗中5店舗が休業となったものの、営業の継続が十分に可能であったと主張。解雇回避の努力や誠実な協議など「整理解雇の四要件」を満たしていないなどとしている。

5月19日の同社リリースより

●「解散するにしてもやり方があったのでは?」

提訴後の会見で、代理人を務める佐々木亮弁護士は、従業員に知らされてから1カ月ほどで解散された点を指摘。国のコロナ支援を利用して先延ばしすることなどもできたとして、手続き的配慮を欠いている点からも、解雇は無効だと述べた。

「仮に解散するにしても丁寧にすべき。徐々に人を減らすなど、いろんなやり方があったはずだ。使用者としての雇用責任を果たしていないのではないかと思います」(佐々木弁護士)

会社解散に先立って、自ら退職届を出している原告もいるが、この退職の合意も無効であると主張している。

そのうえで、生活が不安定となった精神的損害として、9人それぞれに慰謝料200万円とバックペイ(解雇から解決までの期間の賃金)を支払うよう求めている。

また、不誠実団交など、組合に対する5つの不当労働行為があったとして、500万円も求めている。

東京美々卯の担当者は取材に対し、7月15日に回答するとコメント。回答が届き次第、元従業員のコメントと合わせて紹介する。

【7月15日追記】

会見で原告となった元従業員らは、

「コロナと言ったら、仕方がないとなるのか」
「貯金を切り崩して生活している」
「国の支援がもっと早く、金額が大きければ、会社もこういう判断をしなかったかもしれない」

などと悔しさや不安を語った。

一方会社側は7月15日、質問に回答。5月20日より閉店がずれ込んだ場合、「資金ショートに陥り、取引先への支払いだけでなく、働いた従業員の給料を払えなくなる可能性がありました」とコメントした。

そのうえで、従業員には、同業他社を紹介したり、退職金規定の金額に上乗せがされることを周知したりしたという。

また、団体交渉についても、「資料も開示して、閉店・解散に至った理由についても別途文書でも詳細に説明しております」とした。

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