3322.jpg
「落札してキャンセルしようよ」 SKE48松村香織さんの呼びかけは問題ないか?
2013年11月06日 11時30分

「おい! オークション出品して転売してんじゃねーよ。ふざけんなよ」

人気アイドルグループ「SKE48」のメンバー、松村香織さんがSNSサイト「Google+」でこんな風に怒りを爆発させた。激怒の理由は、1000枚限定のソロデビューシングルCD「マツムラブ!」が、10月20日の発売直後、ネットオークションの「ヤフオク!」に複数出品されていたからだ。

発売イベントに集まったファンに一枚一枚、自ら手渡して販売したCDだったため、すぐに「転売」されたことが悔しかったようだ。怒りはなかなか冷めなかったようで、松村さんは「落札してキャンセルしようよ」「落札して受け取り拒否して下さい」という呼びかけまでも投稿していた。

だが、オークションで、落札したのにキャンセルするというのは本来、認められる行為ではないだろう。このような呼びかけをすることは、法的に問題ないのだろうか。インターネット関係の法律問題にくわしい岩永利彦弁護士に聞いた。

「おい! オークション出品して転売してんじゃねーよ。ふざけんなよ」

人気アイドルグループ「SKE48」のメンバー、松村香織さんがSNSサイト「Google+」でこんな風に怒りを爆発させた。激怒の理由は、1000枚限定のソロデビューシングルCD「マツムラブ!」が、10月20日の発売直後、ネットオークションの「ヤフオク!」に複数出品されていたからだ。

発売イベントに集まったファンに一枚一枚、自ら手渡して販売したCDだったため、すぐに「転売」されたことが悔しかったようだ。怒りはなかなか冷めなかったようで、松村さんは「落札してキャンセルしようよ」「落札して受け取り拒否して下さい」という呼びかけまでも投稿していた。

だが、オークションで、落札したのにキャンセルするというのは本来、認められる行為ではないだろう。このような呼びかけをすることは、法的に問題ないのだろうか。インターネット関係の法律問題にくわしい岩永利彦弁護士に聞いた。

●イタズラ入札は「犯罪」となり得る

「ヤフオク!では落札してキャンセルすることを『イタズラ入札』と呼び、かなり問題視しているようです。あそこはイタズラ入札ばかりだなどと評判が立てば、信用がガタ落ちして参加者がいなくなるでしょうから、その信用に傷をつけるような行為に目を光らせているのだと思います。

加えて、イタズラ入札は、出品した人にも迷惑です。出品者としてみれば、正規の落札者から得られたはずの代価を得られないなど、取引を妨害されたことになります。ピザ屋への虚偽の注文のようなものでしょう」

岩永弁護士はこのように指摘する。イタズラ入札は、「犯罪」となってしまう可能性もあるのだろうか?

「イタズラ入札は、ヤフオク!の信用を傷つけるとともに、出品者の取引を妨害する行為と言え、当然、認められる行為ではありません。

前者は刑法233条前段の『信用毀損罪』にあたる可能性があり、後者は刑法233条後段の『偽計業務妨害罪』にあたる可能性があります。もちろん、刑事上だけでなく、民事上の『不法行為責任』を問われる可能性もあります」

●呼びかけは「教唆」や「幇助」の罪にあたる可能性がある

そうなると、「落札してキャンセルしようよ」と呼びかけることも、問題と言えるのだろうか?

「刑事上も民事上も違法となるような行為への呼び掛けが、法的に問題ないわけがありません。まず、刑事上では、イタズラ入札の行為をそそのかした、またはその犯意を強めたということで、さきほどあげた罪の教唆犯や幇助犯にあたる可能性があります。

また、民事上でも、教唆・幇助は、共同不法行為責任(民法719条2項)として、損害賠償を請求されかねないものです。このような呼びかけは早めに撤回などをしたほうが良いと思います」

岩永弁護士はこのように指摘し、注意を促していた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る