3483.jpg
炎天下で取引先に待たされ、喫茶店で飲んだ「抹茶フラペチーノ」経費で落とせない?
2016年06月12日 09時50分

取引先を待っている間に「抹茶フラペチーノ」を買って経費で落としたら怒られた。ネット上の掲示板に、そんな書き込みが投稿された。

投稿者は、取引先の都合で待たされている間、外が暑かったため喫茶店に入り、「抹茶フラペチーノ」を購入した。その代金を経費で落としたところ怒られたのだという。投稿者は、「取引先に行って待ち時間に飲んだんだが業務中じゃねえか」「俺はこんなクソ熱い中何も買えず棒立ちで待ってろっていうのか?」と憤っている。

この書き込みに対してコメント欄には「逆になんで経費で落ちると思ったのか」「食費は経費で落ちないって話は有名だろ」という意見があった。

今回のように、取引先の都合で待たされている間に、喫茶店に入って飲み食いした物の代金を、経費で落とすことはできないのだろうか。佐藤正知弁護士に聞いた。

取引先を待っている間に「抹茶フラペチーノ」を買って経費で落としたら怒られた。ネット上の掲示板に、そんな書き込みが投稿された。

投稿者は、取引先の都合で待たされている間、外が暑かったため喫茶店に入り、「抹茶フラペチーノ」を購入した。その代金を経費で落としたところ怒られたのだという。投稿者は、「取引先に行って待ち時間に飲んだんだが業務中じゃねえか」「俺はこんなクソ熱い中何も買えず棒立ちで待ってろっていうのか?」と憤っている。

この書き込みに対してコメント欄には「逆になんで経費で落ちると思ったのか」「食費は経費で落ちないって話は有名だろ」という意見があった。

今回のように、取引先の都合で待たされている間に、喫茶店に入って飲み食いした物の代金を、経費で落とすことはできないのだろうか。佐藤正知弁護士に聞いた。

●ポイントは「会社運営に必要な費用」かどうか

「会社に請求できる経費の範囲について、明確に定めた法律はありません。労働契約や就業規則に定めがあれば、それに従います。もっとも、出張旅費については定めがある会社もありますが、飲食に要した費用についてまで定めている会社は少ないでしょう」

佐藤弁護士はこのように指摘する。

「そもそも、労働契約では、労働者が負う義務は、会社への労働力の提供です。そして会社は、会社の設備と、提供された労働力を利用して利益をあげるのですから、会社運営に必要な経費を負担すべきは、労働者ではなく、会社なのです。

このため、会社運営に必要な経費であれば、立て替えた労働者が、後から会社に請求することができるという明示または暗黙の『立替合意』があると考えられます。飲食に使った費用であっても、税務上、会社は、一定の条件を満たせば、会議費や交際費として損金算入する、つまり経費とすることができます」

今回のケースはどう考えられるのか。

「会社から指定されたカフェで、取引先と打ち合わせをする場合の料金などは、明示の立替合意がある典型例でしょう。カフェの指定まではなくとも、実際にカフェで取引先とよく打ち合わせを行う職場であれば、暗黙の立替合意があるといえます。


では投稿者のケースはどうでしょう。取引先を待つ時間のような待機時間も労働時間ではありますが、自分だけがカフェに入って使った費用ですので、取引先との打ち合わせのために必要な訳でもなく、会社運営に必要な経費とは言いようがありません。会社に請求する余地はないでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る