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妻のSNS裏アカを発見。「風俗経験」つづる内容に衝撃受け、離婚宣告
2019年09月27日 09時58分

ふとしたことから妻のSNS「裏アカウント」を見つけた男性。初めて知る衝撃の内容に「離婚を検討している」と弁護士ドットコムに相談を寄せました。

男性は交際から1年数ヶ月で妻と結婚しました。妻のアカウントには、風俗経験があり、同棲していた期間にもデリヘルで働いていたという記述がありました。また、みだらな写真も投稿されていました。

結婚後は投稿がないものの、相談者は離婚を検討しています。SNSのスクリーンショットは証拠になるのでしょうか。そもそも離婚できるのでしょうか。鈴木謙吾弁護士に聞きました。

ふとしたことから妻のSNS「裏アカウント」を見つけた男性。初めて知る衝撃の内容に「離婚を検討している」と弁護士ドットコムに相談を寄せました。

男性は交際から1年数ヶ月で妻と結婚しました。妻のアカウントには、風俗経験があり、同棲していた期間にもデリヘルで働いていたという記述がありました。また、みだらな写真も投稿されていました。

結婚後は投稿がないものの、相談者は離婚を検討しています。SNSのスクリーンショットは証拠になるのでしょうか。そもそも離婚できるのでしょうか。鈴木謙吾弁護士に聞きました。

●「不貞行為」が理由で離婚はできない

ーー男性は離婚を考えていますが、離婚理由になるのでしょうか

離婚の訴えができる場合として、民法は770条を明記しています。まずストレートに「不貞行為」(民法770条1項1号)を理由とする離婚請求は難しいでしょう。

ーー不貞行為には当たらないのですか

妻の風俗経験が事実であったとしても「婚姻前の事情」に過ぎません。また、同棲していた期間に行われていたとしても、妻が正式な配偶者ではない時であれば不貞行為とは言えないからです。

そうなると、1項5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」(民法770条1項5号)に該当するか否か判断されることになります。

具体的には、妻の婚姻前の風俗経験を立証した上で、それが現在の夫婦生活を破綻させてしまう程の深刻なものと裁判所に認めてもらう必要があります。

ーーそもそもSNSのスクリーンショットは証拠となるのでしょうか

データ情報の場合、裁判所において改ざんが疑われ、証拠価値が低いと判断される可能性があることに注意が必要です。

離婚裁判での証拠については、プライバシーの侵害にならないかという点もよく問題になるのですが、今回のケースは公のネット情報から取得しているため、あまり気にしなくてもよいでしょう。

●風俗経験の種類、勤務期間、みだらな写真の程度による

ーーでは、男性が婚姻前の風俗経験を裁判で立証し、かつ風俗勤務が理由となり「夫婦生活が破綻した」ことを証明できたら、離婚が認められるのでしょうか

妻の風俗経験の種類、勤務期間、みだらな写真の「みだら」の程度にもよりますが、妻が業として性交渉まで行っており、そのことを公にしていた場合には婚姻後の夫婦生活にも少なからず影響を与えるでしょう。

婚姻前とはいえ同棲期間中にしていたことも妻にとって厳しい判断になる可能性は高いですし、現在の夫への風評被害も考えられます。

一方で、妻の風俗での勤務状況が短期間かつ軽い程度であったり、婚姻後には公にならないようブログを閉鎖する等、できる限りの対応をしていた場合には、現在の婚姻生活にはそこまで大きな影響を与えていないと判断される可能性もあります。

裁判所においては、上記の離婚原因として認められる方向と否定される方向の個別具体的な事情を比較考慮して判断されることになるでしょう。

まとめますと、婚姻前の事情というだけで離婚請求が認められないとは思いませんが、現在の夫婦生活に与える影響や婚姻後の妻の改善措置の程度等の総合判断によって離婚の可否が判断されることになるのではないでしょうか。

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