3501.jpg
要らなくなった本を勝手に「古本屋」の棚に入れてきたーー何かの罪になるの?
2015年04月03日 16時16分

要らなくなった本を勝手に「ブックオフ」の棚に入れてきた——インターネット掲示板に、こんな行為を打ち明ける書き込みがあった。投稿者は「なんか罪になるの?」と尋ねている。

投稿者の質問について、掲示板では「迷惑条例違反」「威力業務妨害かな」「不法投棄」「建造物侵入でいける」など、どんな罪にあたるのかをめぐって議論が起きた。

本当にこのような行為が行われたのかどうかは不明で、単なるネタの可能性もある。だが、もし実際に、古本屋の棚に「要らない本」を入れた場合、罪に問われる可能性はあるのだろうか。寺林智栄弁護士に聞いた。

要らなくなった本を勝手に「ブックオフ」の棚に入れてきた——インターネット掲示板に、こんな行為を打ち明ける書き込みがあった。投稿者は「なんか罪になるの?」と尋ねている。

投稿者の質問について、掲示板では「迷惑条例違反」「威力業務妨害かな」「不法投棄」「建造物侵入でいける」など、どんな罪にあたるのかをめぐって議論が起きた。

本当にこのような行為が行われたのかどうかは不明で、単なるネタの可能性もある。だが、もし実際に、古本屋の棚に「要らない本」を入れた場合、罪に問われる可能性はあるのだろうか。寺林智栄弁護士に聞いた。

●「偽計業務妨害罪が成立する」

「この件については、偽計業務妨害罪が成立すると考えられます」

寺林弁護士はこのように切り出した。偽計業務妨害罪とは、どんな犯罪なのか?

「業務妨害罪には、威力業務妨害罪と偽計業務妨害罪の2種類があります。このうち、威力業務妨害罪は、『不法な有形力』、つまり殴る蹴るといった暴行や脅迫、また物を壊したり隠すなどの目に見える行為によって、他人の業務を妨害するケースが該当します。たとえば、学校のグラウンドにくぎをばらまいて体育の授業をできなくする、などのケースです。

いっぽう、偽計業務妨害罪には、『不法な有形力』を行使しないケースも広く含まれるため、今回の件はこちらにあたると思われます」

要らなくなった本を棚に入れることが、なぜ業務妨害になるのだろう?

「業務妨害罪の成立には、業務が妨害される『危険』があれば足りるとされています。

今回のブックオフの件では、要らなくなった本を誰かが棚に入れたことによって、検品やラベル張りなどが済んでいない本が紛れていないか、何人かの店員によって店全体の本をチェックしなければならなくなる可能性が相当程度あります。

したがって、営業活動に支障が生じる危険があるといえるので、業務妨害罪が成立するのです。

個人的には、実際に本を棚に入れていなくても、このような書き込みをすること自体で、業務妨害罪は成立すると考えます」

寺林弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る