3771.jpg
Googleグループ「ダダ漏れ問題」 ユーザーがいますぐチェックすべきこと
2013年07月10日 21時20分

インターネットのメーリングリストサービス「Googleグループ」で、中央官庁や企業の内部情報などが誰でも閲覧可能になっていたことが、このほど分かった。

読売新聞などによると、少なくとも4つの省庁の職員が業務メールを公開しており、環境省では国際条約の交渉過程なども誤って公開していた。また、全国の医療機関などでカルテなど、本来公開すべきでない内部情報が閲覧できるようになっていた。さらに、大手新聞社や通信社などのメディアについても、紙面に掲載する前の記事企画などの情報が外部に漏れていた。

Googleグループはたしかに便利なツールだが、このような情報漏洩を起こさないために、いますぐチェックすべき点とはなんだろうか。

●Googleグループの投稿内容が「ダダ漏れ」になっている理由

なぜ、多数の組織で、このように機密性の高い情報が「ダダ漏れ」になっていたのか。その原因として考えられるのが、Googleグループの初期状態では、投稿された情報が「誰でも閲覧できる」設定となっていることだ。

実は、社内運用など、Googleグループをクローズドな環境で使いたい場合は、「非公開」の設定に変えなければいけないのだが、そのことを知らずに、「公開」状態のまま運用しているケースが多いようだ。こういった情報の多くは、外部からの指摘を受けて現在非公開になっているが、センシティブな情報がダダ漏れになっている現状に、まだ気づいていない人も多いようだ。

自分が利用している「グループ」の情報が公開されているかどうかは、Googleグループに参加している個々の利用者がチェックできる。その方法は、次の通りだ。

●自分が参加しているGoogleグループが「公開」されていないかチェックする方法

まず、Googleグループにアクセスし、「マイグループ」から、参加しているグループを選択してクリック。具体的なグループが表示された後、グループ名の右側に表示されている「このフォーラムについて」という部分をクリックする。

すると、「グループ名」「説明」「メンバー」など、グループについての説明書きが表示されるが、今回注目すべきなのは「アクセス」という部分だ。

ここにもし「誰でもコンテンツを閲覧できます」という表示があれば、それは文字通り、誰でもアクセスできる状態。つまり、投稿内容が「一般公開」されているということだ。逆に「メンバーだけがコンテンツを閲覧できます」と表示されていれば、そのグループの投稿内容は、外部に公開されていない。

●意に反して「公開」状態になっている場合、設定を「非公開」に変更する方法

この状態を変更できるのは、グループの「オーナー」だ。もし自分が参加しているグループが、意に反して公開されている場合は、「オーナー」に連絡して、設定を変えてもらう必要がある。直接の連絡先を知らない場合は、同じ画面で「アクセス」の上に表示されている「グループ メール」という欄にある「オーナーに連絡する」という箇所をクリックすれば、オーナーにメールを送信できる。

もし、自分がオーナーだった場合はまず、先ほどの「このフォーラムについて」の左側にある「管理」を選択する。すると左側に出てくる管理メニューから「権限」>「基本的な権限」を選択する。その画面で、「トピックを表示」欄の「ユーザーグループの選択」で、「すべてのユーザー」のチェックボックスを外せば、グループは非公開になる。

Google日本法人は「公開しない設定も用意しており、どう使うかは利用者が決めることだ」とコメントしているようだ。しかし今回のように、数多くの省庁や医療機関などの重要な情報が閲覧可能状態になっていたという実態を踏まえると、単に彼らが不注意だったと言い切ってしまっていいのだろうか。

Googleグループが初期状態で「一般公開」される設定になっている点や、そのことに気づきにくいといえる点は、はたして問題ないのだろうか。インターネットのセキュリティ問題にくわしい落合洋司弁護士は、次のようにコメントしている。

●落合洋司弁護士のコメント

「Googleの利用規約は《ユーザーは、本サービスを利用することにより、本規約に同意することになります》としています。つまり、Googleグループを利用する際には、この利用規約が適用されることになります。

その利用規約では、《Google は、本サービス内のコンテンツ、本サービスの特定の機能、その信頼性、利用可能性、またはユーザーのニーズに応える能力について、何らの約束もしません。本サービスは『現状有姿で』提供されます》としています。

この『現状有姿』というのは、現在あるがままの姿でという意味です。つまり利用者は、サービスがそういった状態にあることを理解した上で使い、Googleグループにおける公開、非公開の設定も、自らの判断で行う必要があります。

つまり、もともとの設定がわかりにくかったからといって、Googleの法的責任を追及することは難しいでしょう。もちろん、Googleが、よりわかりやすく使いやすいサービスを利用者に提供すべきということは言えると思いますが、それは法的責任とは別の話になります。

便利なサービスであっても、サービスの内容、特性への理解が十分ではないまま利用することで思わぬ事態を招くことがあります。特に、公開すべきでない情報をネット上で取り扱うような場合は細心の注意が必要でしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

インターネットのメーリングリストサービス「Googleグループ」で、中央官庁や企業の内部情報などが誰でも閲覧可能になっていたことが、このほど分かった。

読売新聞などによると、少なくとも4つの省庁の職員が業務メールを公開しており、環境省では国際条約の交渉過程なども誤って公開していた。また、全国の医療機関などでカルテなど、本来公開すべきでない内部情報が閲覧できるようになっていた。さらに、大手新聞社や通信社などのメディアについても、紙面に掲載する前の記事企画などの情報が外部に漏れていた。

Googleグループはたしかに便利なツールだが、このような情報漏洩を起こさないために、いますぐチェックすべき点とはなんだろうか。

●Googleグループの投稿内容が「ダダ漏れ」になっている理由

なぜ、多数の組織で、このように機密性の高い情報が「ダダ漏れ」になっていたのか。その原因として考えられるのが、Googleグループの初期状態では、投稿された情報が「誰でも閲覧できる」設定となっていることだ。

実は、社内運用など、Googleグループをクローズドな環境で使いたい場合は、「非公開」の設定に変えなければいけないのだが、そのことを知らずに、「公開」状態のまま運用しているケースが多いようだ。こういった情報の多くは、外部からの指摘を受けて現在非公開になっているが、センシティブな情報がダダ漏れになっている現状に、まだ気づいていない人も多いようだ。

自分が利用している「グループ」の情報が公開されているかどうかは、Googleグループに参加している個々の利用者がチェックできる。その方法は、次の通りだ。

●自分が参加しているGoogleグループが「公開」されていないかチェックする方法

まず、Googleグループにアクセスし、「マイグループ」から、参加しているグループを選択してクリック。具体的なグループが表示された後、グループ名の右側に表示されている「このフォーラムについて」という部分をクリックする。

すると、「グループ名」「説明」「メンバー」など、グループについての説明書きが表示されるが、今回注目すべきなのは「アクセス」という部分だ。

ここにもし「誰でもコンテンツを閲覧できます」という表示があれば、それは文字通り、誰でもアクセスできる状態。つまり、投稿内容が「一般公開」されているということだ。逆に「メンバーだけがコンテンツを閲覧できます」と表示されていれば、そのグループの投稿内容は、外部に公開されていない。

●意に反して「公開」状態になっている場合、設定を「非公開」に変更する方法

この状態を変更できるのは、グループの「オーナー」だ。もし自分が参加しているグループが、意に反して公開されている場合は、「オーナー」に連絡して、設定を変えてもらう必要がある。直接の連絡先を知らない場合は、同じ画面で「アクセス」の上に表示されている「グループ メール」という欄にある「オーナーに連絡する」という箇所をクリックすれば、オーナーにメールを送信できる。

もし、自分がオーナーだった場合はまず、先ほどの「このフォーラムについて」の左側にある「管理」を選択する。すると左側に出てくる管理メニューから「権限」>「基本的な権限」を選択する。その画面で、「トピックを表示」欄の「ユーザーグループの選択」で、「すべてのユーザー」のチェックボックスを外せば、グループは非公開になる。

Google日本法人は「公開しない設定も用意しており、どう使うかは利用者が決めることだ」とコメントしているようだ。しかし今回のように、数多くの省庁や医療機関などの重要な情報が閲覧可能状態になっていたという実態を踏まえると、単に彼らが不注意だったと言い切ってしまっていいのだろうか。

Googleグループが初期状態で「一般公開」される設定になっている点や、そのことに気づきにくいといえる点は、はたして問題ないのだろうか。インターネットのセキュリティ問題にくわしい落合洋司弁護士は、次のようにコメントしている。

●落合洋司弁護士のコメント

「Googleの利用規約は《ユーザーは、本サービスを利用することにより、本規約に同意することになります》としています。つまり、Googleグループを利用する際には、この利用規約が適用されることになります。

その利用規約では、《Google は、本サービス内のコンテンツ、本サービスの特定の機能、その信頼性、利用可能性、またはユーザーのニーズに応える能力について、何らの約束もしません。本サービスは『現状有姿で』提供されます》としています。

この『現状有姿』というのは、現在あるがままの姿でという意味です。つまり利用者は、サービスがそういった状態にあることを理解した上で使い、Googleグループにおける公開、非公開の設定も、自らの判断で行う必要があります。

つまり、もともとの設定がわかりにくかったからといって、Googleの法的責任を追及することは難しいでしょう。もちろん、Googleが、よりわかりやすく使いやすいサービスを利用者に提供すべきということは言えると思いますが、それは法的責任とは別の話になります。

便利なサービスであっても、サービスの内容、特性への理解が十分ではないまま利用することで思わぬ事態を招くことがあります。特に、公開すべきでない情報をネット上で取り扱うような場合は細心の注意が必要でしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る