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子連れ別居の妻、「実子誘拐」と報じたプレジデント、飛鳥新社を名誉毀損などで提訴
2022年12月14日 16時23分

「子どもを(妻に)誘拐された」などとする夫側の主張のみに基づいた事実と異なる記事によって甚大な精神的苦痛を受けたとして、別居中の妻が12月14日、名誉毀損とプライバシー侵害があったとして、プレジデント社、飛鳥新社らに記事の削除と990万円の損害賠償などを求めて東京地裁に提訴した。

この日の記者会見で、妻は「夫に離婚と言われてから、私の人生は大きく変わりました。家を出た後、メディアや知らない方々からも誹謗中傷され続ける生活になるとは思ってもいませんでした」と時折、声を詰まらせて語った。

原告代理人の神原元弁護士は「かなり偏ったかたちで(夫側にたった)一方的な報道がされており、名誉毀損、プライバシー侵害、基本的人権の侵害だ」と述べた。

夫婦の離婚裁判は現在も続いており、東京高裁に係属している。原審・東京家裁は今年7月、親権者を妻とし、離婚を認める判断をした。

「子どもを(妻に)誘拐された」などとする夫側の主張のみに基づいた事実と異なる記事によって甚大な精神的苦痛を受けたとして、別居中の妻が12月14日、名誉毀損とプライバシー侵害があったとして、プレジデント社、飛鳥新社らに記事の削除と990万円の損害賠償などを求めて東京地裁に提訴した。

この日の記者会見で、妻は「夫に離婚と言われてから、私の人生は大きく変わりました。家を出た後、メディアや知らない方々からも誹謗中傷され続ける生活になるとは思ってもいませんでした」と時折、声を詰まらせて語った。

原告代理人の神原元弁護士は「かなり偏ったかたちで(夫側にたった)一方的な報道がされており、名誉毀損、プライバシー侵害、基本的人権の侵害だ」と述べた。

夫婦の離婚裁判は現在も続いており、東京高裁に係属している。原審・東京家裁は今年7月、親権者を妻とし、離婚を認める判断をした。

●「原告は心理的負担、不快、不安の念を覚えた」

提訴されたプレジデント社と飛鳥新社は、それぞれ「『娘が車のトランクに』日本で横行する実子誘拐」(プレジデントオンライン)と「実子誘拐を黙殺する日本のメディア」(月刊Hanadaプラス)の2記事を配信した。

訴状などによれば、原告側は、(子どもが妻に)トランクに入れられて誘拐されたという記述については、離婚裁判でも事実は認定されておらず「真実ではない」としている。

また、両記事とも筆者は「一度も原告(妻)に取材することなく記事を公開」していることから、「真実だと信じる相当な理由」があるともいえないとして、「名誉を毀損する違法行為であり、民法上不法行為」だと主張している。

さらに、記事の内容は「離婚協議中であることやその内容が一般人の感受性を基準にして公開を欲しないであろうと認められる事柄であることも明白。実際に原告は心理的負担、不快、不安の念を覚えた」としてプライバシー権も侵害したとする。

●弁護団「これは誘拐と言えるのでしょうか」

12月14日、記者会見を開いた弁護団が強調したのは、私人の離婚事件が「一方的な報道により、家族に対する誹謗中傷がされ続けている」(神原弁護士)異例の事態となっている点、「子どもの『連れ去り』と呼ばれる問題について、不正確な報道がされてきた」(岡村晴美弁護士)という点だ。

岡村弁護士は「配偶者に無断の子連れ別居の適法性については、子の利益に反するか否かで判断される法制度、手続きがある」として、子連れでの別居の事実のみをもって「連れ去り」「誘拐」と表現する報道は不正確だと指摘した。

今回の事件でも「妻は夫から離婚だと言われ、子どものパスポートを渡すよう言われ(出国することが懸念されたので)やむを得ず子どもを連れて別居した。別居後はすぐ弁護士に依頼して、夫がすでに依頼していた弁護士との協議を始めている。結果、家庭裁判所で子の監護者指定の手続きが取られ、妻には正当な監護権が認められた。これは誘拐と言えるのでしょうか」(岡村弁護士)

また夫への取材に基づいて書かれた記事では、別居後に「子どもに会えていない」としているが、夫からは面会交流の申立てがされていないという。

これまで妻は名前や顔を出しての取材には応じてこなかった。「この裁判は夫婦間の離婚訴訟にすぎないと思っていたが、メディアやSNSでも誹謗中傷されるようになり、迷った末に、顔を出して提訴することを決めた」と語った。

今回の提訴を受け、プレジデント社は「訴状が届いていないので、コメントできません」と回答した。

飛鳥新社のコメントは届き次第、掲載する。

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