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退職するなら「バックレ」ばいい?ホリエモンの発言が物議、無断欠勤の法的リスクは
2025年07月14日 10時06分
#退職代行 #無断欠勤 #雇用契約

バイトでも正社員でも、バックレりゃいいじゃん──。ホリエモンこと、実業家の堀江貴文さんがYouTube番組(『REAL VALUE』)でそう発言し、ネット上で議論を呼びました。

この発言は、本人の代わりに退職の意思を伝える「退職代行サービス」の是非をめぐる文脈で出たものです。ホリエモンさんは以前にも、別の番組で「退職代行は不要」との持論を展開していました。

とはいえ、責任感がある人にとって「バックレ」は現実的ではないでしょう。法的に問題はないのでしょうか。会社とトラブルになったり、損害賠償を請求される可能性はないのでしょうか。杉浦智彦弁護士に聞きました。

バイトでも正社員でも、バックレりゃいいじゃん──。ホリエモンこと、実業家の堀江貴文さんがYouTube番組(『REAL VALUE』)でそう発言し、ネット上で議論を呼びました。

この発言は、本人の代わりに退職の意思を伝える「退職代行サービス」の是非をめぐる文脈で出たものです。ホリエモンさんは以前にも、別の番組で「退職代行は不要」との持論を展開していました。

とはいえ、責任感がある人にとって「バックレ」は現実的ではないでしょう。法的に問題はないのでしょうか。会社とトラブルになったり、損害賠償を請求される可能性はないのでしょうか。杉浦智彦弁護士に聞きました。

●損害賠償リスクを十分に意識して行動すべき

──バイトでも正社員でも、本当に「バックレ」てよいのでしょうか?

従業員が無断欠勤すると、労働契約における労働義務の不履行にあたるため、会社から債務不履行や不法行為に基づいて損害賠償を請求される可能性があります。

ただ、これまでの裁判例では、無断欠勤に伴う損害賠償が認められる範囲は限定的でした。

たとえば、無断欠勤によって契約が解除されたという損害賠償請求では、その因果関係の立証が難しく、さらに会社側にも代替人員の確保といった体制整備の責任が問われるため、請求が認められる範囲は狭かったといえます。

過去のトラック運転手に関する裁判例では、欠勤日から数日程度の受注金額から経費(高速道路費や燃料費、人件費など)を差し引いた額のみが認められるにとどまりました。

しかし、近年は、裁判所の方針が少し変わってきたのか、従業員側に厳しい判断が増えてきた印象もあります。過去の裁判例を鵜呑みにせず、損害賠償リスクを十分に意識して行動すべきでしょう。

●何らかのかたちで退職の意思を伝えること

──「バックレ」るくらいなら、退職の意思を伝えたほうがいいのでしょうか?

無断欠勤を続けても、すぐに雇用契約が終了するわけではありません。会社が解雇手続きをおこなわない限り、雇用契約は継続します。この間も健康保険などの手続きが必要であり、「バックレ」によって、すべての関係が一挙に終わるわけではない点には注意が必要です。

法的リスクに加えて、社会人としての責任もあります。会社も安否を心配しますし、無用なトラブルを防ぐ意味でも、何らかのかたちで退職の意思を伝えることが大切です。

退職代行サービスを利用するかどうかは別として、適切に意思を伝えることで、不要な損害賠償請求のリスクを回避できるだけでなく、雇用契約を法的に終了させ、健康保険などの事務手続きも円滑に進めることができます。

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