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お化け屋敷の「お化け」に驚き、殴ってしまった男性逮捕――正当防衛を主張できない?
2015年08月14日 13時26分

「びっくりして、とっさに手が出た」。お化け屋敷のお化け役を殴ったとして、京都府京田辺市の大学生の男性(19)が8月10日、暴行の疑いで現行犯逮捕された。

報道によると、大学生は8月10日午後8時40分ごろ、北海道・札幌市の商業施設「ノルベサ」のお化け屋敷「ゆびきりの家」で、顔に血のりのメイクをして変装した同市の男子大学生(18)の頭を殴った疑いがもたれている。「びっくりして殴った。反省しています」と容疑を認めているという。

「ゆびきりの家」では7月にも、お化け役の男性を殴ったとして、札幌市の男性(22)が傷害の疑いで逮捕されている。主催者は、「暴力行為は故意・過失問わず警察に通報します」と入場口に張り出すなど対応している。

逮捕された大学生がいうように、驚いて、とっさに相手を殴ってしまったような場合でも、罪に問われるのだろうか。正当防衛という言い訳は通用しないのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。

「びっくりして、とっさに手が出た」。お化け屋敷のお化け役を殴ったとして、京都府京田辺市の大学生の男性(19)が8月10日、暴行の疑いで現行犯逮捕された。

報道によると、大学生は8月10日午後8時40分ごろ、北海道・札幌市の商業施設「ノルベサ」のお化け屋敷「ゆびきりの家」で、顔に血のりのメイクをして変装した同市の男子大学生(18)の頭を殴った疑いがもたれている。「びっくりして殴った。反省しています」と容疑を認めているという。

「ゆびきりの家」では7月にも、お化け役の男性を殴ったとして、札幌市の男性(22)が傷害の疑いで逮捕されている。主催者は、「暴力行為は故意・過失問わず警察に通報します」と入場口に張り出すなど対応している。

逮捕された大学生がいうように、驚いて、とっさに相手を殴ってしまったような場合でも、罪に問われるのだろうか。正当防衛という言い訳は通用しないのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。

●無意識の行為は、犯罪にはあたらない

「おおまかに言えば、刑法上の犯罪に該当するためには、人の意思に基づく行為であることが必要です。

そのため、反射的な行為や、無意識での行為は、刑法上の犯罪にはあたりません」

今回のケースは、どう考えればよいだろうか。

「大学生は、『びっくりして、とっさに手が出た』と話しているようです。

これが本当に、お化けの恰好をした従業員の姿を見て驚き、反射的に体が動いたというのであれば、大学生の暴行行為は、刑法上の『行為』に該当しない可能性はあります。

ただ、お化け屋敷というのは、当然、お化けの格好をした従業員が、客を驚かせるために、暗がりから突然姿を現すことも当然ありえるわけです。

はたして、大学生が、本当に無意識で、反射的に相手を殴ったのかと言われると、疑問があります。暴行罪に問われることはありうるケースだと思います」

●正当防衛にはあたらない

正当防衛だと考えることはできないのだろうか。

「お化け屋敷の従業員は、お客さんを驚かせようとするだけで、危害を加えようとしたわけではありませんから、正当防衛の要件である『急迫不正の侵害』があったとはいえません。

そして、そのことは、お化け屋敷のお客も認識しているといえるでしょう。そのため、正当防衛にはあたらないと思います」

冨本弁護士はこのように分析していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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