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少子化止めたいなら、直ちに廃止すべきーー所沢「育休退園訴訟」の原告たちが会見
2016年01月20日 15時51分

働く母親が2人目や3人目の子どもを出産して「育児休業」を取得すると、それまで保育園に通っていた0歳〜2歳の「上の子ども」は退園しなければいけないーー。そんな埼玉県所沢市の「育休退園制度」は違法だと訴えている父母と弁護団が1月20日、東京・霞が関の厚生労働省で記者会見を開き、「所沢市は直ちに育休退園制度を廃止すべきだ」と訴えた。

この裁判はいまも続いているが、さいたま地裁は昨年9月から12月にかけて、3件の退園処分を「執行停止」とする決定を下した。執行停止というのは、行政処分の効力を一時的に停止させることだ。これは裁判が終わるまでの仮の救済の仕組みで、退園処分を本当に取り消すためには裁判で勝訴する必要がある。ただ、退園処分の効力が停止されたことで、児童は再び保育園に通えるようになった。

働く母親が2人目や3人目の子どもを出産して「育児休業」を取得すると、それまで保育園に通っていた0歳〜2歳の「上の子ども」は退園しなければいけないーー。そんな埼玉県所沢市の「育休退園制度」は違法だと訴えている父母と弁護団が1月20日、東京・霞が関の厚生労働省で記者会見を開き、「所沢市は直ちに育休退園制度を廃止すべきだ」と訴えた。

この裁判はいまも続いているが、さいたま地裁は昨年9月から12月にかけて、3件の退園処分を「執行停止」とする決定を下した。執行停止というのは、行政処分の効力を一時的に停止させることだ。これは裁判が終わるまでの仮の救済の仕組みで、退園処分を本当に取り消すためには裁判で勝訴する必要がある。ただ、退園処分の効力が停止されたことで、児童は再び保育園に通えるようになった。

●行政法の教授「3件連続の執行停止は聞いたことがない」

9月に執行停止の決定を受けた原告の児童については、所沢市が今年1月、児童の保育を継続する決定をした。弁護団の北永久弁護士は会見で「もとの保育園に通うことができている状況なので、実質的な勝利だ」と強調した。

記者会見には、行政法や社会保障法を専門とする鹿児島大学法科大学院の伊藤周平教授も同席した。伊藤教授は「執行停止が認められるためのハードルは高い。退園処分がなされると重大な損害が生じることや、損害を避けるための緊急の必要性が求められる」と指摘。「子どもが保育園で保育を受けることは、それほど重要なことだと裁判所が認めた。3件続けて執行停止を認めた例は、長い間行政法を教えてきて、聞いたことがない」と、今回の3件の執行停止決定が異例であることを強調した。

また、会見に参加した原告団の女性は、育休退園制度がある他の自治体が、次々と制度を廃止していることに触れ、「少子化を進めたいのならいい制度だと思うが、少子化の流れをなんとか止めたいなら、いますぐやめてほしい」と、所沢市が育休退園制度を廃止するよう訴えた。

(弁護士ドットコムニュース)

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