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「安心して。終わったよ」と娘に報告したい――桐生市いじめ訴訟で両親と市が和解
2014年09月30日 23時29分

群馬県桐生市で2010年に小学6年の上村明子さん(当時12歳)が自殺したのは、小学校で受けたいじめのせいだとして、両親が群馬県と桐生市に損害賠償を求めていた訴訟で9月30日、和解が成立した。

和解のポイントは、桐生市が「謝罪する」という条項が入った点だ。明子さんが同級生から暴言やいじめを受けて、給食を一人で食べることになっていたにも関わらず、学校側が十分な措置を講じなかったことを認め、謝罪するとした。

そのほか、明子さんの自殺について、県と市が心から哀悼の意を表明することや、安全配慮義務を十分に果たせなかったことについて、市が150万円を母親に支払うことも決まった。

群馬県桐生市で2010年に小学6年の上村明子さん(当時12歳)が自殺したのは、小学校で受けたいじめのせいだとして、両親が群馬県と桐生市に損害賠償を求めていた訴訟で9月30日、和解が成立した。

和解のポイントは、桐生市が「謝罪する」という条項が入った点だ。明子さんが同級生から暴言やいじめを受けて、給食を一人で食べることになっていたにも関わらず、学校側が十分な措置を講じなかったことを認め、謝罪するとした。

そのほか、明子さんの自殺について、県と市が心から哀悼の意を表明することや、安全配慮義務を十分に果たせなかったことについて、市が150万円を母親に支払うことも決まった。

●「何があったか知りたい」という思いは変わらない

明子さんの両親は和解が成立した直後、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開いた。父親の上村竜二さんは、ときおり言葉を詰まらせながら、裁判を始めたきっかけを、次のように語りはじめた。

「明子が亡くなってから、来月の23日でまるまる4年になります。この裁判をやるにつれて、私も家内もすごく悩みました。悩んで大変なこともありました。

でも、最初の思いはずっと変わらず・・・。学校で何があったか知りたい。どうして死ななくちゃいけなかったのか。その原因は学校でのいじめだということは、最初から感じていました。

裁判を始める前に、なんとか裁判をせずにきちんと学校側から説明してくれないかなという思いはあったのですが、それもかなわず・・・。こういったかたちで裁判になって、今日、和解という日を迎えたんです」

一審の前橋地裁の判決では、いじめと自殺の間に因果関係があったと認定された。そのことについて、竜二さんは今朝、次のように明子さんに語りかけたのだという。

「今日和解という形になるけれども、いじめと自殺の因果関係はあったんだよ、これは今後もずっと続くんだよ。そして、桐生市と群馬県が、本当に、本当に悪いと思っているんだったら、誠意をもって、公の場所で謝罪してもらいたい。そういう風にするからね」

●「本当は納得できない」けど・・・

なお、今回の和解には、両親がこれまで学校に求めてきた「調査報告義務」についての条項が、盛り込まれなかった。また、桐生市が支払う150万円という金額は、一審の判決で認められた450万円よりも低くなっている。

明子さんの母親は「正直言って、本当は納得できないです。だけど、あまり長いと明子がかわいそうだから・・・。魂が天国に行って生まれ変わったら、幸せになることを願っています。『安心して。終わったよ』と報告したいです」と涙を流しながら話した。

両親の代理人をつとめた池末登志博弁護士は、今後について、「再発を防ぐため、桐生市がどういうことをすべきかについては、引き続き交渉していく」と話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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