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「やめられなかった」女性教諭が教え子とわいせつ行為、恋愛感情があっても犯罪?
2016年05月10日 10時35分

教え子の男子生徒とわいせつな行為をしたとして、兵庫県教育委員会は4月下旬、県立高校に勤務していた30代の女性教諭を懲戒免職とした。

神戸新聞などによると、この女性教諭は、男子生徒から学校の悩みなどの相談を聞いているうちに恋愛感情を持った。2人は昨年11月から今年3月にかけて4回にわたり、校外に駐車した自動車の中でキスをしたり、お互いの体を触るなどのわいせつな行為をしていた。

今年3月、車内に2人でいたところ、警察官の職務質問を受けて発覚した。女性教諭は「いけないことだとわかっていたが、恋愛感情があり、やめられなかった」と県教委に説明したという。

報道された時点では、兵庫県警は、県青少年愛護条例違反の疑いで、女性教諭から任意で事情を聞いたということだが、今回のようなケースは罪に問われる可能性があるのだろうか。また、真剣な恋愛だったとしても罪にあたるのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。

教え子の男子生徒とわいせつな行為をしたとして、兵庫県教育委員会は4月下旬、県立高校に勤務していた30代の女性教諭を懲戒免職とした。

神戸新聞などによると、この女性教諭は、男子生徒から学校の悩みなどの相談を聞いているうちに恋愛感情を持った。2人は昨年11月から今年3月にかけて4回にわたり、校外に駐車した自動車の中でキスをしたり、お互いの体を触るなどのわいせつな行為をしていた。

今年3月、車内に2人でいたところ、警察官の職務質問を受けて発覚した。女性教諭は「いけないことだとわかっていたが、恋愛感情があり、やめられなかった」と県教委に説明したという。

報道された時点では、兵庫県警は、県青少年愛護条例違反の疑いで、女性教諭から任意で事情を聞いたということだが、今回のようなケースは罪に問われる可能性があるのだろうか。また、真剣な恋愛だったとしても罪にあたるのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。

●原則として、罪に問われる

「兵庫県青少年愛護条例違反のほか、児童福祉法違反に問われる可能性があります」

冨本弁護士はこのように述べる。どのようなルールなのだろうか。

「兵庫県青少年愛護条例と児童福祉法は、青少年あるいは児童に、精神の面でも身体の面でも健全に成長してもらうようにするために設けられています。

兵庫県青少年愛護条例における『青少年』も、児童福祉法における『児童』も、18歳未満の子どものことをいいます。性別は関係なく、高校生も18歳未満であれば、青少年であり児童にあたります」

それぞれ、どのような行為が禁止されているのだろうか。

「兵庫県青少年愛護条例、青少年に対して、みだらな性行為やわいせつな行為をしたり、教えたり、見せたりすることを禁止しています。違反した場合、罰則があります。

児童福祉法も、児童に『淫行』をさせる行為を禁止しています。『淫行』とは、性的な行為です。性交はもちろん、そのほかのわいせつな行為も含まれます。こちらも違反した場合、罰則があります。

したがって、高校生の男子生徒にわいせつな行為をしたり、させたりすれば、処罰される可能性があります」

今回のように恋愛感情を持っていた場合も、法律違反なのだろうか。

「一概に違法とはいえません。

最高裁の判例などによると、『わいせつな行為』は次のようなことをいいます。

(1)青少年を誘惑し、威迫したり、騙したりするなど、未成熟に乗じた不当な手段によって、性交または性交類似行為

(2)青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交または性交類似行為

一方で、たとえば、婚約中だったり、婚約に準ずる真摯な交際関係にある場合などは含まれません。

ただ、『婚約に準じる真摯な交際関係にあること』がみとめられるには厳しいハードルがあるのが現状でしょう」

冨本弁護士はこのように述べていた。


(補足)当初、「恋愛感情があろうがなかろうが、真剣な恋愛であろうがなかろうが、性的な行為をおこなえば、原則として法律違反です」と記述していましたが、説明が不十分だと考えましたので、修正しました。(5月11日11時23分)

(弁護士ドットコムニュース)

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