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Google Playで詐欺アプリ急増中!? プラットフォーム型サイトの責任は?
2013年06月12日 18時25分

Andoroid向けのアプリケーションを提供している「Google Play」上で、「ワンクリック詐欺アプリ」が急増していると、セキリュティソフト会社が注意を呼びかけている。

「ワンクリック詐欺アプリ」とは、使ってもいないアダルト関連サービスの有料登録や架空請求などの画面を表示するアプリ。ほかにも、個人情報などを盗み出すアプリのダウンロードをうながすアプリなどもあるという。

セキュリティソフト大手のマカフィー社が発表したものによると、今年4月はじめから6月7日までに通算600以上の「ワンクリック詐欺アプリ」が確認されたという。Google Play側も、こうした「詐欺アプリ」の削除をおこなっているが、すぐに新しい詐欺アプリが公開されるという「いたちごっこ」の状態が続いている。

アプリのダウンロードは自己管理とはいえ、Google Playなら大丈夫だと信じているユーザーも多いだろう。仮に、Google Playのようなプラットフォーム型のサイトで入手したアプリで「ワンクリック詐欺」などにあった場合、サイトを運営する企業の責任を問うことはできるのだろうか。岩原義則弁護士に聞いた。

●プラットフォーム型のサイトは「合法なアプリ」の提供が前提

「ネット上の問題といっても、基本的には普通の法律問題と同じように考えることができます」

岩原弁護士はこのように言う。たとえば、違法な薬物を製造すると知っていて、『アジト』を提供したら、共犯に問われる。岩原弁護士によると、このようなケースと同じように考えることができるという。

「Google Playのようなプラットフォーム型のサイトは、ベンダー(アプリの製造者)とユーザーとをつなぐ場を提供するものといえます。したがって、当然、合法なアプリの提供が前提となっていて、違法なアプリの提供は禁止されています」

●管理責任を問うポイントは、「違法行為に加担した」といえるどうか

では、違法な活動をしている組織にアジトを提供したときと同じように、「ワンクリック詐欺アプリ」を提供したら、責任を問われるということだろうか。

「『ワンクリック詐欺アプリ』とはいっても、個人情報を取得するという機能だけをみれば、普通のアプリと同じでしょう。個人情報を取得したあとに、それを悪用したり、ありもしない契約を履行させることが問題となります。

また、たとえばワンクリックで、ある『情報』が提供され、その後に高額な請求を受けたという場合、『情報』はその人にとってとても価値がある可能性もあります。

したがって、一概に、『そんな情報で高額請求をするのは、けしからん!』と判断することは、とても難しいかとおもいます」

つまり、ただ単に違法なアプリがあったというだけで、Google Playのようなプラットフォーム型のサイトの責任を問うことは難しいということだ。どのような場合に、プラットフォーム型のサイトの責任を問えるのだろうか。

「問題を放置していないか、被害対応に誠実かなど、違法行為に加担したといえるかが管理責任を問えるかどうかのポイントになるでしょう」

「いたちごっこ」になっているとはいえ、「詐欺アプリ」の削除は行なわれているということだから、ただちにGoogle Playが問題を放置しているとはいえないだろう。それでも違法なアプリが提供されているおそれはあるので、アプリをダウンロードするときにはくれぐれも注意されたい。

(弁護士ドットコムニュース)

Andoroid向けのアプリケーションを提供している「Google Play」上で、「ワンクリック詐欺アプリ」が急増していると、セキリュティソフト会社が注意を呼びかけている。

「ワンクリック詐欺アプリ」とは、使ってもいないアダルト関連サービスの有料登録や架空請求などの画面を表示するアプリ。ほかにも、個人情報などを盗み出すアプリのダウンロードをうながすアプリなどもあるという。

セキュリティソフト大手のマカフィー社が発表したものによると、今年4月はじめから6月7日までに通算600以上の「ワンクリック詐欺アプリ」が確認されたという。Google Play側も、こうした「詐欺アプリ」の削除をおこなっているが、すぐに新しい詐欺アプリが公開されるという「いたちごっこ」の状態が続いている。

アプリのダウンロードは自己管理とはいえ、Google Playなら大丈夫だと信じているユーザーも多いだろう。仮に、Google Playのようなプラットフォーム型のサイトで入手したアプリで「ワンクリック詐欺」などにあった場合、サイトを運営する企業の責任を問うことはできるのだろうか。岩原義則弁護士に聞いた。

●プラットフォーム型のサイトは「合法なアプリ」の提供が前提

「ネット上の問題といっても、基本的には普通の法律問題と同じように考えることができます」

岩原弁護士はこのように言う。たとえば、違法な薬物を製造すると知っていて、『アジト』を提供したら、共犯に問われる。岩原弁護士によると、このようなケースと同じように考えることができるという。

「Google Playのようなプラットフォーム型のサイトは、ベンダー(アプリの製造者)とユーザーとをつなぐ場を提供するものといえます。したがって、当然、合法なアプリの提供が前提となっていて、違法なアプリの提供は禁止されています」

●管理責任を問うポイントは、「違法行為に加担した」といえるどうか

では、違法な活動をしている組織にアジトを提供したときと同じように、「ワンクリック詐欺アプリ」を提供したら、責任を問われるということだろうか。

「『ワンクリック詐欺アプリ』とはいっても、個人情報を取得するという機能だけをみれば、普通のアプリと同じでしょう。個人情報を取得したあとに、それを悪用したり、ありもしない契約を履行させることが問題となります。

また、たとえばワンクリックで、ある『情報』が提供され、その後に高額な請求を受けたという場合、『情報』はその人にとってとても価値がある可能性もあります。

したがって、一概に、『そんな情報で高額請求をするのは、けしからん!』と判断することは、とても難しいかとおもいます」

つまり、ただ単に違法なアプリがあったというだけで、Google Playのようなプラットフォーム型のサイトの責任を問うことは難しいということだ。どのような場合に、プラットフォーム型のサイトの責任を問えるのだろうか。

「問題を放置していないか、被害対応に誠実かなど、違法行為に加担したといえるかが管理責任を問えるかどうかのポイントになるでしょう」

「いたちごっこ」になっているとはいえ、「詐欺アプリ」の削除は行なわれているということだから、ただちにGoogle Playが問題を放置しているとはいえないだろう。それでも違法なアプリが提供されているおそれはあるので、アプリをダウンロードするときにはくれぐれも注意されたい。

(弁護士ドットコムニュース)

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