4899.jpg
検察官の勤務延長、弁護士1500人がNO!「なぜ今なのか」「民主国家が壊れてしまう」
2020年05月08日 16時45分

検察官の勤務延長制度が盛り込まれた「検察庁法改正案」に反対する弁護士らが5月8日、記者会見を開いた。同日中にFAXや郵送などで各政党に検事長勤務延長閣議決定の撤回を求めるとともに、同法案に反対するよう要請するという。

会見した「法の支配の危機を憂う弁護士の会」は、4月24日からホームページ等で弁護士の反対の声を募集。同会の事務局長を務める島田広弁護士によると、147人が呼びかけ人となり、全国の弁護士1353人が同会の活動に賛同しているという(呼びかけ・賛同合計1500人:5月8日12:31時点)。

検察官の勤務延長制度が盛り込まれた「検察庁法改正案」に反対する弁護士らが5月8日、記者会見を開いた。同日中にFAXや郵送などで各政党に検事長勤務延長閣議決定の撤回を求めるとともに、同法案に反対するよう要請するという。

会見した「法の支配の危機を憂う弁護士の会」は、4月24日からホームページ等で弁護士の反対の声を募集。同会の事務局長を務める島田広弁護士によると、147人が呼びかけ人となり、全国の弁護士1353人が同会の活動に賛同しているという(呼びかけ・賛同合計1500人:5月8日12:31時点)。

●弁護士から寄せられた怒りの声

呼びかけ人となった弁護士からは、怒りや疑問の声が複数寄せられている。以下、実際に寄せられたコメントの一部を紹介する。

「この法案は検察の独立を根底から覆してしまうものです。きちんとした法案審議ができない状況で法案を審議することそのものに反対です」(海渡雄一弁護士)

「法の支配が壊れ、人(安倍)の支配が行われており、民主国家が壊れてしまう。司法の一翼を担う検察に対する支配は、三権分立を破壊する」(近藤公人弁護士)

「国民の信頼を裏切り、検察官の政治的中立性・独立性を侵す閣議決定や法改正は許されません。検察官まで権力を忖度するような、政治的介入を許すおそれが強い制度にすることは国民が誰も望んでいません」(玉木昌美弁護士)

「これでも日本は法治国家(なのか)といいたくなるような安倍政権のおごりです。集団的自衛権の行使についても勝手に従来の内閣の憲法解釈を変更し、憲法や法を守るという姿勢が全く見られません。まさに司法の危機です。かような暴挙は絶対に許さないという声をあげましょう」(津村健太郎弁護士)

●検察庁法改正案「なぜ、今なのか」

「検察庁法改正案」は、検察官の定年を63歳から65歳に引き上げるほか、63歳の段階で役職定年制が適用されるというもの。加えて、内閣あるいは法務大臣が必要と判断した場合は定年延長ができるとされている。つまり、内閣が検察人事に介入することが可能となる。

反対する声が高まる中、同法案は4月16日に審議入り。報道によれば、政府与党は同法案の衆議院通過を目指しているという。

同会の共同代表を務める石田法子弁護士は「コロナの影響で生活に困っている人がたくさんいる。国会では、もっと他にやるべきことがある。なぜ、今なのか」と疑問視した。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る