4960.jpg
「ずっと好きだった」結婚式で男友達がウソ告白…真に受けた新婦に、新郎「もう離婚だ」
2018年08月20日 09時36分

ずっと前から好きだったーー。新婦の男友達が放った嘘の告白で、結婚式を台無しにされたと怒れる新郎を目撃した男性から弁護士ドットコムに質問が寄せられました。

男性によると、結婚式で男友達が、余興のつもりで「実は前から好きだった」と妻に告白。妻は本気で略奪しようとしていると思い込み、「実は私も好きだった」とその男友達に駆け寄ったそうです。

しかし、男友達はふざけて言っただけで全く奪う気などありませんでした。それを知った妻は、夫に「好きなのはあなただけ」「あれは本気じゃなかった」と言い訳し、結婚式での出来事をなかったことにしようとしています。

この出来事がきっかけで夫は妻に愛想がつき、離婚しようと思った場合、離婚の理由として認められるのでしょうか。また、夫は冗談で告白した妻の男友達に対し、慰謝料を請求することはできるのでしょうか。鶴岡大輔弁護士に聞きました。

ずっと前から好きだったーー。新婦の男友達が放った嘘の告白で、結婚式を台無しにされたと怒れる新郎を目撃した男性から弁護士ドットコムに質問が寄せられました。

男性によると、結婚式で男友達が、余興のつもりで「実は前から好きだった」と妻に告白。妻は本気で略奪しようとしていると思い込み、「実は私も好きだった」とその男友達に駆け寄ったそうです。

しかし、男友達はふざけて言っただけで全く奪う気などありませんでした。それを知った妻は、夫に「好きなのはあなただけ」「あれは本気じゃなかった」と言い訳し、結婚式での出来事をなかったことにしようとしています。

この出来事がきっかけで夫は妻に愛想がつき、離婚しようと思った場合、離婚の理由として認められるのでしょうか。また、夫は冗談で告白した妻の男友達に対し、慰謝料を請求することはできるのでしょうか。鶴岡大輔弁護士に聞きました。

●離婚が認められるかは具体的な状況によって変わる

「妻の結婚式での行動で離婚が認められるかは、その時の具体的な状況によって変わります」

鶴岡弁護士はそう指摘します。今回のケースで、妻は「私も前から好きだった」と男友達に駆け寄ったようです。

「例えば、妻の行動で結婚式が中止になったとか、それ以後の式の進行に大きな影響があったとか、結婚式の直後に別居をしているということであれば、離婚が認められる可能性が高いでしょう。

ただ、妻の『前から好きだった』という行動はあっても、男友達が取り合わなかったため余興のネタとして会場全体が受け取って最後まで結婚式自体は行われたという場合や、結婚式後も夫婦が何か月も同居を継続しているという場合は、離婚が認められない可能性が高くなります。結婚式が台無しということですが、どのように台無しになったのかということや、結婚式後の状況が大切です」

こんなことが起きたら、夫はやり直す気になれなさそうです。

「相談者からすると、妻は“本気”で『前から好きだった』と言ったように感じたのかもしれません。でも妻は現在『本気じゃなかった』という言い分なのですから、結婚式の最中もしくはその後の具体的な状況から妻の本気度や、妻の行動から夫婦関係が破綻したことを証明する必要があります。

相談者の方が離婚したいのであれば、結婚式のビデオや写真を見返して何があったのか思い出すとともに、今すぐ別居をした方がいいでしょう。早く別居をすればするほど、結婚式の妻の行動で夫婦関係が破綻した言いやすくなり、『婚姻を継続しがたい重大な事由』(民法770条1項5号)に該当するとして離婚が認められやすくなります」

●男友達への慰謝料請求は認められない可能性が高い

原因を作った妻の男友達に対して、慰謝料請求は認められるのでしょうか。

「妻の男友達に対する慰謝料請求は認められない可能性が高いと思います。

男友達は余興でふざけて言っただけで、妻が応じるとは思っていなかった様子です。相談者と妻の結婚を壊そうという意図(故意)はなかったと考えられます。

また、男友達は自分が結婚式の余興で『前から好きだった』と言ったとしても、まさか新婦がそれに応じるとは予測できないと思います。そうすると、男友達に法的な意味での落ち度(過失)もなかったといえます。

そのため、妻の男友達に対しての慰謝料請求は認められない可能性が高いでしょう」

【相談募集!】弁護士ドットコムニュースの記者に取材してほしい、法律に関するトラブルはありますか。働いていて疑問に思ったこと、ご近所トラブル、男女・離婚に関するものなど、情報をお待ちしています。以下からLINE友だち登録をして、ご連絡ください。

友だち追加

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る