大反響を呼んだマクドナルドのハッピーセット「ちいかわ」だが、転売に対して批判が高まっている。SNSでは購入できなかった「ちいかわ」ファンを中心に、「転売ヤー、まじで許せない」「転売を放置しているサイトはどうなの」といった声が上がった。
転売は今も続いており、中には「1000個セット」を約893万円という出品まである。日本マクドナルド株式会社は、ハッピーセット「ちいかわ」の発売に際し、転売を目的とした購入は控えるよう、呼びかけていた。
メルカリは今回の転売騒動をどう受け止めているのか、聞いてみた。
●マクドナルドは転売やめるよう呼びかけていた
ちいかわファンという都内の10代男性は5月23日午前5時前、自宅から近いマクドナルドに並んだという。目当ては、午前5時から発売になるハッピーセット「ちいかわ」だ。
到着した時は、すでに10人ほど客が並んでいたという。男性は無事に「ちいかわ」を入手できたが、「転売目的っぽい人もいた。こんなに朝早くから並ばないと買えないのはおかしいと思う」と話す。
マクドナルドのハッピーセット「ちいかわ」第2弾は5月23日から発売開始となったが、その前日、日本マクドナルド株式会社は公式サイトで次のように呼びかけていた。
「おひとりでも多くのお子様にお届けするため、ハッピーセット『マインクラフト ザ・ムービー』『ちいかわ』2種あわせて、おひとりさま4セットまでのご購入をお願いしております。 また、転売または再販売、その他営利を目的としたご購入はお控えください」
しかし、買い求めるファンや転売ヤーが続出し、第2弾は即日完売となった。同社によると、5月30日から予定されていた「ちいかわ」第3弾(第1弾と第2弾で販売したおもちゃの際発売)も中止したという。
●「箱だけ送られてきた」報告、SNSではファン激怒
一方で、メルカリなどのフリマサイトやネットオークションサイトには、「ちいかわ」の転売が相次いだ。
複数のセットで転売されているケースも多く、SNSでは「転売ヤーを放置するのはおかしい」「お店で買いたいのになんで転売ヤーから買わないといけないの?」と批判が殺到している。
また、「写真の空き箱だけ送られてきた」というケースもSNSでは報告されており、ちいかわファンの怒りは増す一方だ。
当初から「箱のみ」という出品もあり、「誰が買うのか」「どこまでファンをバカにしてるのか」という声もあった。
そうした中、「1000個セット」を約893万円という出品まであった。
おびただしい数の箱が積み上げられた画像が使用されており、商品名は「ちいかわ マクドナルド ハッピーセット コンプリート 1000個セット 画」となっている。今回の騒動を揶揄したものとみられ、「ちいかわ」ではなく「画像」を販売しているとの指摘がコメント欄に書き込まれていた。
●メルカリ「社会情勢の変化で見直しする」
この転売問題について、メルカリはどう受け止めているのか。弁護士ドットコムニュースの取材に対し、広報担当者は次のように回答した。
「メルカリでは、個人間で簡単かつ安全に売買できるマーケットプレイスをコンセプトとしており、出品禁止物の該当性については2021年1月に定めた『マーケットプレイスの基本原則』及び本原則に則り定めている利用規約・ガイドに準じて判断を実施しております。
基本原則は、外部有識者によるアドバイザリーボードで定期的にレビューし、社会情勢の変化や、みなさまとの対話を踏まえて、見直しを行っております」
一方で、任天堂株式会社が5月27日、大人気の「Nintendo Switch 2」など任天堂の商品について、フリマ事業者であるメルカリやLINEヤフー、楽天グループの3社と「不正出品行為」を防止するために協力することを発表した。
SNSでは「こういう取り組みが『ちいかわ』や他の商品にも広がっていってほしい」という声が上がっている。