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大塚家具・久美子社長続投、母も「参戦」した株主総会はまるで「家族会議」
2015年03月27日 19時51分

経営方針をめぐって、父の会長と長女の社長による対立が起きていた大塚家具の株主総会が3月27日、東京都内で開かれた。長女の大塚久美子社長が提案した父・勝久会長の役員退任を求める議案が賛成多数で可決され、久美子氏の社長続投が決まった。ただ、株主総会では母の参戦や、親子の対立をなだめる株主の発言もあり、まるで「家族会議」のようだった。

今年の同社の株主総会は、異例の「お家騒動」として注目を集めたことで、「いつもは20人くらいの規模」(勝久氏)だった出席者数が、約200人にまで増えた。報道陣をシャットアウトして開催され、総会の会場とは別に用意された部屋で、報道関係者約200人が中継動画を見た。

経営方針をめぐって、父の会長と長女の社長による対立が起きていた大塚家具の株主総会が3月27日、東京都内で開かれた。長女の大塚久美子社長が提案した父・勝久会長の役員退任を求める議案が賛成多数で可決され、久美子氏の社長続投が決まった。ただ、株主総会では母の参戦や、親子の対立をなだめる株主の発言もあり、まるで「家族会議」のようだった。

今年の同社の株主総会は、異例の「お家騒動」として注目を集めたことで、「いつもは20人くらいの規模」(勝久氏)だった出席者数が、約200人にまで増えた。報道陣をシャットアウトして開催され、総会の会場とは別に用意された部屋で、報道関係者約200人が中継動画を見た。

●「母でございます」娘を厳しく批判するも、発言「打ち切り」

総会では、出席した株主の前で、まるで「家族会議」のようなやりとりがおこなわれた。投票に先立って、筆頭株主でもある勝久会長が、久美子社長の退任を求める自らの株主提案について説明。「クーデターによって社長の座を奪われた」「コーポレート・ガバナンスを間違えたのは社長のほうだ」と批判した。

一方、久美子社長は「社長交代は、業績低迷などについて取締役会で議論した結果によるもの。さきほど会長から不穏当な表現があったが、そんなことではない。これまでの経営課題の解決には、経営陣の刷新が必要だった」と反論した。

ここでさらに、勝久会長の妻で、久美子社長の母である千代子さんが「母でございます」と参戦。株主総会の場で、「社員さんをいじめないでください」などと、5分以上にもわたって久美子社長の批判を展開したが、久美子社長から「もう少し簡潔に、明確にお願いします」と注意され、途中で打ち切られた。

●株主「一族のために株を買ったわけではない」

質疑応答では、株主から父娘の両者を批判する意見が相次いだ。ある株主は「家具は、結婚や家の建て替えなどハッピーなときに買うものだ。父と娘がけんかするところで買うのか。いちばん大切なことを忘れている」と指摘。別の株主は「同族企業、一族の醜態だ。会社は一族のものではない。一族のために株を買ったわけではない」と厳しく批判した。

ほかにも、「会社のブランド価値が下がっている。双方が歩み寄って、握手すれば済むのではないか」という苦言もあったが、久美子社長は「歩み寄るべきものとそうではないものがある。単純にトラブルを避けるために歩み寄れば、逆にブランド価値が下がる」と述べた。

総会後に記者会見を開いた久美子社長は、記者から「今後、家族との対立をどうやって解消するのか」と問われたが、「真摯にコミュニケーションの努力を続けていく」と述べるにとどまった。

(弁護士ドットコムニュース)

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