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ジェットスター労組メンバーへの懲戒処分「無効」判決、一審で確定へ 会社「控訴しない」
2024年12月13日 12時46分
#ジェットスター #JCA #権利濫用 #処分無効

航空会社ジェットスター・ジャパンの客室乗務員2名が出勤停止処分の無効確認等を求めた訴訟で、両名に対する処分の無効を認め、出勤停止期間分の賃金支払いなどを命じた12月2日の東京地裁判決(郡司英明裁判官)について、会社側が控訴せず確定することが原告・被告双方への取材でわかった。

ジェットスター・ジャパンの広報担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、控訴しない理由について、「一部、懲戒事由の存在についての当社主張は認められているものの、懲戒処分のプロセスが適切ではなかった部分があり、当社社員に対する懲戒処分は認められない結果となった」と回答。「当社としては判決内容を受け入れ、控訴は行わないこととする」とした。

原告となった労働組合「ジェットスタークルーアソシエーション」(JCA)執行委員長の木本薫子氏と副執行委員長の片桐麻記氏は、「裁判所が私たちの主張を汲み取り、賢明な判断を示してくださったことに心より感謝申し上げる」とコメントした。(編集部・若柳拓志)

航空会社ジェットスター・ジャパンの客室乗務員2名が出勤停止処分の無効確認等を求めた訴訟で、両名に対する処分の無効を認め、出勤停止期間分の賃金支払いなどを命じた12月2日の東京地裁判決(郡司英明裁判官)について、会社側が控訴せず確定することが原告・被告双方への取材でわかった。

ジェットスター・ジャパンの広報担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、控訴しない理由について、「一部、懲戒事由の存在についての当社主張は認められているものの、懲戒処分のプロセスが適切ではなかった部分があり、当社社員に対する懲戒処分は認められない結果となった」と回答。「当社としては判決内容を受け入れ、控訴は行わないこととする」とした。

原告となった労働組合「ジェットスタークルーアソシエーション」(JCA)執行委員長の木本薫子氏と副執行委員長の片桐麻記氏は、「裁判所が私たちの主張を汲み取り、賢明な判断を示してくださったことに心より感謝申し上げる」とコメントした。(編集部・若柳拓志)

●判決で処分無効となった理由とは

判決などによると、会社は木本氏に対して、個人として未払い賃金に関する誤った情報を流布・扇動したとして、会社の規律を乱し人事本部の業務を妨害したとして20日間の出勤停止処分とした。

片桐氏に対しては、給与支払いに関する問い合わせについて上長等に対応を求めるなどしたところ、その言動が「精神的苦痛を与えたハラスメント」だとして、15日間の出勤停止処分とした。

しかし、判決は、木本氏が個人として、メールや口頭で手当の支給漏れがあるなどの事実と異なる情報を指摘したもので、労基署への通報を扇動したことをうかがわせる事情は見当たらないと指摘。「懲戒処分事由があったことを認めることはできない」とし、処分は無効と判断した。

片桐氏については、上長等へ送信したメールの記載は、パワハラに該当するとは直ちに言い難いとしても、強い精神的苦痛を与えたものだとして、就業規則違反に準ずる不都合な行為として懲戒処分事由に当たると認定。

もっとも、会社側が片桐氏の当初の問い合わせから約2カ月ほど回答がなかったという事情があり、しかも結果的に給与に関する過誤があって片桐氏の問い合わせが根拠あるものだったことなどを踏まえると、15日間の出勤停止処分は「著しく相当性を欠く重い処分」だとして、権利濫用により無効と判断した。

判決では、会社に対し、両氏への出勤停止期間の賃金全額の支払いを命じた。さらに、木本氏については、懲戒処分が木本氏に精神的衝撃を与え、「労働組合の執行委員長としての活動にも少なからず影響があったとうかがわれる」などとして、精神的苦痛に対する慰謝料50万円の支払いも命じた。

●両氏は判決後の会社側対応に「極めて遺憾」

同社広報担当者は、このまま確定することとなった判決を受けて、「懲戒処分を決定するプロセスを見直し、今後、改善を図る」としている。

木本氏と片桐氏は、判決後の会社側の対応について、「全社員宛に配信された社長メッセージでは、判決の主旨が正確に反映されておらず、また何より判決で示された処分の不当性や精神的苦痛に対する会社からの謝罪が一切なされていないことは極めて遺憾」と反発し、次のようにコメントした。

「今回の懲戒処分のみならず、執行委員長に対して行われた安全教育、また組合員への昇格差別などの問題についても、私たちが所属する客室サービス本部が適切かつ公正な対応をしていたのか、またその過程で組合活動への嫌悪や個人への偏見が影響を及ぼし、恣意的な判断が行われたのではないかという懸念が拭いきれません。

今後、処分が無効とされた判決内容を真摯に受け止め、客室サービス本部の組織体制や意思決定プロセスが公正かつ透明であったかを改めて振り返るべきと考えています」

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