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ジェットスター、スト拡大で「移動ピークの29日」に欠航のおそれ 労使の団交またも不調
2023年12月27日 20時05分
#ジェットスター

格安航空会社ジェットスター・ジャパンの労働組合「ジェットスタークルーアソシエーション」(JCA)は12月27日、指名ストライキ(争議行動)実施後初の会社側との団体交渉も不調に終わったとして、28日以降もストを実施していく意向を明らかにした。

JCAは未払い賃金の支払いなどを求めていたが、12月22日から一部組合員による指名ストを連日実施。ジェットスターはストの影響とは認めていないものの、欠航が出るなどしている。

ストの予定人数は、28日は20人、29日は36人。JCAは、年末で一番航空券価格が高騰するとされる29日を「コア日」と位置付けている。

ジェットスターの機長でJCA執行委員の井小萩明彦氏は、団交後に開かれた記者会見で、組合側の要求に応える回答は会社側から出なかったとし、「話し合いが前進するかもと期待して団交に臨んだが、そうではなかった。断腸の思いだが、ストを取りやめることはできない状況だ」と会社側の対応を批判した。

格安航空会社ジェットスター・ジャパンの労働組合「ジェットスタークルーアソシエーション」(JCA)は12月27日、指名ストライキ(争議行動)実施後初の会社側との団体交渉も不調に終わったとして、28日以降もストを実施していく意向を明らかにした。

JCAは未払い賃金の支払いなどを求めていたが、12月22日から一部組合員による指名ストを連日実施。ジェットスターはストの影響とは認めていないものの、欠航が出るなどしている。

ストの予定人数は、28日は20人、29日は36人。JCAは、年末で一番航空券価格が高騰するとされる29日を「コア日」と位置付けている。

ジェットスターの機長でJCA執行委員の井小萩明彦氏は、団交後に開かれた記者会見で、組合側の要求に応える回答は会社側から出なかったとし、「話し合いが前進するかもと期待して団交に臨んだが、そうではなかった。断腸の思いだが、ストを取りやめることはできない状況だ」と会社側の対応を批判した。

●会社側は団交の場で「中労委での調停」を提案

JCAによると、27日の団交には、ジェットスター・ジャパンの片岡優社長も出席したものの、具体的な内容としては、会社側から中央労働委員会での調停を28日にも申請する旨の話にとどまったという。

会社側の提案に対し、井小萩氏は「申請するならもっと前の段階でもできたのでは」と違和感を口にした。

「ストをすでに実施している中で、中労委への申し立てをするということは、会社自身の手でこの問題を解決する意思がないのではないかとの印象を持ちました」

JCAが要求し続けている内容に正面から回答することもなかったとして、「中労委へ申請することを言うためだけに団交を開いたのかという思い」と語気を強めた。

中労委への申請にJCAとしてどう応じるかについてはこれから検討するとしている。

●「ストの規模を拡大せざるをえない」

今後の団交予定などについては話題に上がらず、JCAとしては「前進がなかった話し合いに終わった」形だ。指名ストも継続する。「参加者も当初の60人から100人にまで増えている」という。

スト実施期限を2024年1月7日とする方針は現時点で変更はないが、以降もストを実施するか否かについては「検討中」としている。

「事業、ひいてはお客様への影響を最小限にすべく、労組として団体交渉を求めるなど最小限の活動から始め、会社側にこの問題を早い段階で理解して欲しいとのスタンスでやってきました。

8月の段階で、労働協約の締結はなかったものの、会社との約束を信じて、8月17日のスト行使を見送りましたが、結局その後も協約は締結できませんでした。

指名ストもいきなり欠航便を出さないよう、少人数で始めましたが、それでもまだ動かない。労働者の権利、また法律を守るため、ストの規模を拡大せざるをえません。

お客様、関係者のみなさまにご迷惑をおかけすることは心苦しいが、どうかご理解いただければと思います」(井小萩氏)

JCAはこれまで、会社側に対し、所定時間外労働に対する未払い賃金の支払い、同意なく減額した通勤手当の支払い、組合事務所の提供および組合掲示板の設置許可を要求してきた。

会社側は8月の団体交渉で未払い賃金を計算し直した上で一括して支払うと回答したが、会社側が設定した交渉期限の10月31日までに労働協約が締結できず、その後の労使交渉でも合意できずにいた。

JCAは8月3日に確立した争議権(ストライキ権)に基づき、12月1日から休日の勤務依頼を拒む争議行為を実施。12月22日からは特定の職場や個人で行う「指名ストライキ」に踏み出した。

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