5918.jpg
ウーバー「ライドシェア」、革新性の背後にある労働破壊…問われる規制のあり方
2017年04月25日 17時42分

外国人観光客の増加を受け、政府は「ライドシェア」の解禁を検討している。ライドシェアとは、一般のドライバーが自家用車を使って、有料で利用者を運ぶ行為のこと。事実上の「白タク」だ。解禁されれば、スマホの配車アプリで近くのドライバーを呼び出し、タクシーより安く目的地まで運んでもらえるようになる。

ライドシェアの配車サービスでは、米ウーバーが世界的に有名だ。しかし、ライドシェアの問題にくわしい川上資人弁護士は「海外では、ウーバーに反対する雰囲気が生まれている」と語る。ウーバーがドライバーの労働環境を破壊しているとの批判があるからだ。

4月25日に厚生労働省記者クラブで記者会見を開いた川上弁護士によると、ウーバーではドライバーが請負労働者として扱われている。直接の雇用関係にないため、会社が社会保障のコストを負担せず、労働者としての権利も認められない。結果として、働き方が不安定になっているという。

また、登録運転手が増えていることから、長時間働かないと収入を得られない構造もあるそうだ。安価なドライバーが大量に参入したことから、既存のタクシードライバーの収入も大きく減少しているという。これらの問題を受け、デンマークではウーバーを規制する法律ができ、今年4月18日付で同社が撤退する事態が起きている。

外国人観光客の増加を受け、政府は「ライドシェア」の解禁を検討している。ライドシェアとは、一般のドライバーが自家用車を使って、有料で利用者を運ぶ行為のこと。事実上の「白タク」だ。解禁されれば、スマホの配車アプリで近くのドライバーを呼び出し、タクシーより安く目的地まで運んでもらえるようになる。

ライドシェアの配車サービスでは、米ウーバーが世界的に有名だ。しかし、ライドシェアの問題にくわしい川上資人弁護士は「海外では、ウーバーに反対する雰囲気が生まれている」と語る。ウーバーがドライバーの労働環境を破壊しているとの批判があるからだ。

4月25日に厚生労働省記者クラブで記者会見を開いた川上弁護士によると、ウーバーではドライバーが請負労働者として扱われている。直接の雇用関係にないため、会社が社会保障のコストを負担せず、労働者としての権利も認められない。結果として、働き方が不安定になっているという。

また、登録運転手が増えていることから、長時間働かないと収入を得られない構造もあるそうだ。安価なドライバーが大量に参入したことから、既存のタクシードライバーの収入も大きく減少しているという。これらの問題を受け、デンマークではウーバーを規制する法律ができ、今年4月18日付で同社が撤退する事態が起きている。

●タクシーが高いのは各種規制があるから

「車は密室空間。ドライバーは安全な人であってほしいし、運転も安全であってほしい」。そう語るのは、ウーバー発祥の地・米サンフランシスコでタクシードライバー組合の代表を務めるマーク・グルバーグ氏だ。

ウーバーについては、ドライバーによる乗客への暴行事件が度々報告されている。また、プロのドライバーではなく、輸送事業者に課せられる規制の影響を受けないため、安全性が保証されていない。「規制なしに導入されることが、利用者にとって良いことなのか考えてほしい」(グルバーグ氏)

グルバーグ氏や川上弁護士は4月26日午後5時半から、ライドシェアについて考えるシンポジウム(主催:交通の安全と労働を考える市民会議、日本労働弁護団)を衆議院第一議員会館で開く。サンフランシスコの労働者たちの生の声から、「ライドシェア」の課題を問うとしている。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る