11月9日に投開票される東京都葛飾区議会議員選挙で、選挙ポスターの掲示板に男性器を模した着ぐるみの写真が貼られているとして、警視庁が都迷惑防止条例違反の疑いでこのポスターを貼った候補者に撤去するよう警告したことがわかった。
●「子どもの教育上よくない」苦情相次ぐ
葛飾区選挙管理委員会によると、問題のポスターには、区議選に立候補した男性候補者が男性器を模した着ぐるみを着て写っていた。区が把握する限り、選挙掲示板438カ所のうち48カ所に掲示されていたという。
11月2日の告示以降、このポスターをめぐって「子どもの教育上よくない」「おかしい」といった苦情や相談が多数寄せられた。学校の近くに掲示されているケースもあり、学校関係者や保護者からも問い合わせがあったという。
区は、こうした状況を警視庁と共有。警視庁は、公共の場でわいせつな写真や絵を配布することなどを禁止した東京都迷惑防止条例に違反するおそれがあるとして、候補者にポスターの撤去を警告した。
●選挙ポスターの「品位保持」、改正公選法で明文化
選挙ポスターをめぐっては、2024年の東京都知事選で、わいせつな写真を掲示したり、掲示板の枠を販売したりする行為が相次いだ。これを受けて、ポスター内容の品位を保つように義務づける改正公職選挙法が今年5月に施行されている。
改正法では、他人の名誉を傷つけたり、わいせつな画像を載せたりするなど、品位を損なう表現を選挙ポスターに掲載することを禁止。さらに、特定商品の広告や営業活動の宣伝も禁じており、違反した場合は100万円以下の罰金を科す規定が設けられた。